セミナー中の様子
(出所:日経BP)

 太陽光パネルの信頼性評価サービスなどを手掛けるケミトックス(東京都大田区)は7月25日、太陽光発電関連のセミナーを開催し、2016年に改訂された太陽光パネルの評価に関する国際規格である「IEC61215」「IEC61730」シリーズの詳細を解説するとともに、太陽光発電所の開発を巡る話題や課題について紹介した。

 まず、同社の坂本清彦副社長が、「IEC61215」「IEC61730」シリーズの改訂について解説した。「IEC61215」は太陽光パネルの性能評価のための規格、「IEC61730」はパネルの安全性の評価のための規格となる(関連コラム)。

 改訂のポイントは、実際の発電所における運用を想定した再現性などをより重視した点にあるという。

 例えば、初期状態の試験として、出力が安定するまで一定の光を照射し、「初期安定化」した状態で試験することが定められている。

 太陽光発電所の開発を巡る話題や課題については、NTTファシリティーズの田中良・政策渉外室担当部長が解説した。

 田中氏は、NTTグループで燃料電池や太陽光発電に関わり、NTTファシリティーズの太陽光発電の取り組みを主導してきた。

 政策の動向から、過積載に関する動向や実際の効果、不具合を生じた太陽光パネルの交換に伴うMPPT(最大電力点追従制御)の変化の実情、分散型のパワーコンディショナー(PCS)の採用時に想定される課題、一部の乱開発と地域の市町村の権限に関する問題など、幅広いテーマを取り挙げた。

 このうち、不具合を生じた太陽光パネルの交換については、同社が運営中の太陽光発電所における例として、既設の出力290W/枚のパネルが不具合を生じ、すでにメーカーが製造を中止していたことから、出力325W/枚の製品に交換した例を紹介した。

 直列で12枚を接続して構成しているストリングの中に、この新たなパネルが加わった。

 一般的に、出力する電流や電圧の異なるパネルが同じストリング内に混ざっている場合、PCSによるMPPTに悪影響を生じることがある。出力の低いパネルに合わせた制御となり、本来はより高い出力で発電できるパネルまで、低い出力で発電される恐れがある。

 田中氏が紹介した例では、ストリング内に交換したパネルが混在した場合でも、全体の発電量を引き下げるような悪影響は少ないという。

 交換したパネルのみで構成したストリングと、既設パネルのみによるストリングが同じPCSに入力した場合でも、交換後の高い出力のパネルの実発電量が、既存パネルによるストリングの影響を受けて、発電量が極端に低下するような現象は起きていないとした。

 今後、国内の太陽光発電所では、このように不具合を起きたパネルの交換によって、既設のパネルよりも高出力のパネルが混在する状況が増えてくることが予想されている。こうした状況を先取りした取り組みといえる。