複数のバイオマスを嫌気処理する発酵槽
(出所:日経BP)
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バイオガスで稼働するエンジン発電設備
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付帯事業で設置したメガソーラー
(出所:日経BP)
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 愛知県豊橋市は、廃棄物系バイオマスを活用したメタン発酵によるガスエンジン発電設備を完成し、試運転を開始した。下水汚泥と生ごみ、し尿・浄化槽汚泥を利用するもので、複合型バイオマス施設としては、国内最大規模になる。今年10月に本格稼働を目指す。

 同市上下水道局管轄内の中島処理場内に建設した「豊橋市バイオマス利活用センター」(同市神野新田町)で、PFI(Private Finance Initiative)のうち、BTO(Build Transfer Operate)方式を採用した。建設資金を民間企業が調達し、完成後に所有権を豊橋市に移転、運営を同一の民間が担う形になる。

 PFI事業の主体は、JFEエンジニアリング、鹿島建設、鹿島環境エンジニアリング、オーテックの出資によるSPC(特定目的会社)豊橋バイオウィルとなる。

 今回の施設整備・運営事業は、バイオガス発電による売電事業と、発酵後の汚泥を炭化燃料として企業に売却する事業、そして付帯事業として、遊休地を利用したメガソーラー(大規模太陽光発電所)発電事業から構成する。バイオガス発電とメガソーラーの電力は、固定価格買取制度(FIT)を利用して売電する。

 メタン発酵槽は5000m3を2基、ガスホルダは2000m3、ガスエンジン発電機の出力は1MWとなる。これらの設備は、JFEエンジニアリングが設計・施工した。メガソーラー設備は1.995MWで、太陽光パネルはハンファQセルズ製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。

 バイオマスの1日当たりの受け入れ量は、汚泥・約472m3、生ごみ・59tを予定しており、これをメタン発酵してバイオガスを製造する。発生するガスの由来は、汚泥53%、生ごみ47%程度になると見込んでいる。

 家庭から集める生ごみについては、発酵に適さない異物の混入が課題になる。豊橋市では、今回の事業に合わせて、各家庭・週2回、生ごみの分別収集を始めた。生ごみはビニール袋で排出するため、同センターで受け入れ後、破砕分別機で袋を除き、さらに沈殿物除去槽で異物を排除している。これまでのところ、異物の混入率は10~15%となっているという。

 同市では、今後も継続的に生ごみの分別収集を市民に呼びかけ、異物の混入を減らしていきたいとしている。