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日射予測の「大外れ」を指標化、太陽光の需給調整に貢献

2018/07/23 17:27
工藤宗介=技術ライター
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アンサンブル予測を利用した予測が大きく外れる事態の検出指標の概念図
(出所:産総研)
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 産業技術総合研究所(産総研)は、筑波大学と共同で、日射量予測が大幅に外れる事態を検出する「大外し検出指標」を考案した。日射量予測が大幅に外れると太陽光発電の調整用電力の余剰や不足につながるため、同指標が電力の安定供給や効率的な運用に貢献すると期待される。6月29日に発表した。

 日本国内の各種日射量予測は、気象庁の気象予測が基になっていることが多い。そのため、気象庁の予測に大きな予測誤差があると、どの予報手法を用いても同じように予測が大きく外れる恐れがある。

 産総研は今回、単一の予報機関では予測に偏りが生じるため、日本・欧州・米国・英国の4つの予報機関の日射量予測情報について、最大51個の全球アンサンブル予測(地球全体を同じ時刻に少しずつ異なる条件で予測を複数回実施)の標準偏差を求め、重み付け平均化したものを「大外し検出指標」とした。この指標は、個々の予報機関のアンサンブル予測が、予測の信頼性情報を含むことを利用したもの。

 今回考案した大外し検出指標を、ROCカーブ(的中率と誤検出率でプロットした曲線)とROCスコアを用いて評価した結果、2014〜2016年の予測誤差の上位5%の的中率は12カ月で90%、冬季5カ月では96%となった。また、個々の予想機関のアンサンブル予測情報だけで大外し検出した場合より、より早い時期(最大6日)でも精度良く検出できることが分かった。

 今後は、大外し検出指標を用いた電力需給運用のシミュレーションを行う。大外しを事前に予測できた場合に、どの程度需給バランスを改善でき、予測の信頼性が高い場合の調整用電源の節約などによる経済的な運用が可能となるかなどを評価し、同指標の実用化を目指す。

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