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電力が化石燃料を2年連続で上回る、IEA「世界エネルギー投資」

再エネ・省エネは前年比3%減、今年さらに減速する懸念を指摘

2018/07/23 16:27
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 国際エネルギー機関(IEA)は7月17日、2017年の世界のエネルギー投資で電力分野への投資額が、石油・ガス分野への投資額合計を2年連続で上回ったと発表した(関連記事)。エネルギー産業が積極的に電化を進めているためとしている。

 IEAが刊行した最新版の調査報告書「世界エネルギー投資(World Energy Investment: WEI)2018」で明らかにしたもの()。

図●「世界エネルギー投資 2018」の表紙
(出所: IEA)

 2017年における世界のエネルギー投資総額は18兆ドルで、実質ベースで2016年比2%減となった。世界全体での総投資額は電力分野が7500億ドルで、石油・ガス分野の7150億ドルを超した。

 一方、再生可能エネルギーおよび省エネルギー分野への2017年の世界総投資額は2016年比3%減となり、今年さらに減速するリスクがあるとしている。再エネ電力への投資額は発電全体の投資額の3分の2を占めるが、2017年には2016年比7%下落したという。

 中国政府による太陽光発電に関連した政策変更が、今年のグローバル投資を冷え込ませている。太陽光発電における世界総投資額の40%を中国が占めており、その政策変更の影響が世界に及ぶためだ。IEAは、再エネへの投資をけん引する政策が極めて重要であることを過去の報告書でも指摘していた。

 省エネは2017年に大幅に拡大したものの、再エネの下落を補うには至らなかった。省エネでも政策による停滞の兆候があり、投資額の成長率が鈍化しているという。

 IEAのファティ・ビロル事務局長は、「今回のような再エネおよび省エネ両分野におけるグローバル投資の減退は、憂慮すべきことだ。このことはエネルギー安全保障や気候変動対策の目標を達成するためのクリーンエネルギーの拡大への脅威となる」と述べている。

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