田淵電機の売上高、電源機器部門の売上高と損益の推移
(出所:田淵電機の公表資料をもとに日経BP作成)
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「低圧分割」の例。同手法の禁止も小型PCS市場縮小の要因に
(出所:日経BP)
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 田淵電機は6月25日、業績不振を受け、「事業再生ADR制度」の利用を申請したと発表した。7月4日には、同制度に基づく第1回債権者会議を開催し、全取引金融機関から、借入金元本の返済を一時停止することなどに関し同意を得られたと公表した。
 
 事業再生ADR制度とは、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続き(事業再生ADR手続き)で、同手続きの担当事業者である第3者機関(事業再生実務家協会)の調査・指導・助言を受けつつ、関係当事者の合意の下で事業再生を目指す仕組み。

 田淵電機は、主力の太陽光発電向けの小型パワーコンディショナー(PCS)の販売が大幅に落ち込んだことで、2017年3月期から2期連続で連結最終損益が50億円超の赤字に転落した。2018年3月期連結売上高は264億円で経常損失は44億円。そのうち主力の電源機器事業(PCS、電源ユニット)の売り上げは166億円で、部門別営業損失は42億円となった。

 同社の電源機器事業の売上高は、2012年3月期の182億円から、ピークだった2015年3月期には441億円まで倍増した。その後、2016年3月期299億円、2017年3月期167億円、2018年3月期166億円と、ピークの半分以下に急減している。

 田淵電機のPCSは、住宅用と連系出力10kW以上50kW未満の事業用低圧案件の市場で高いシェアを持っていた。特に固定価格買取制度(FIT)の開始当初、事業用低圧市場では、オムロンとともにほぼ市場を分け合うほど、販売を伸ばした。