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JPEAが太陽光発電の「評価ガイド」、セカンダリー市場を想定

2018/07/10 17:55
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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発電事業者やEPC、O&Mだけでなく、金融や保険、資産関連など幅広い事業者の活用を可能に
(出所:JPEA)
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土地関連の評価の概要
(出所:JPEA)
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構造関連の評価の概要
(出所:JPEA)
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太陽光発電所の購入検討者による活用の例
(出所:JPEA)
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 太陽光発電協会(JPEA)は6月29日、「太陽光発電事業の評価ガイド」を公開した。

 太陽光発電が主力電源となるために必要な、長期にわたって安定的な電源としての健全な普及と、今後拡大が予想されるセカンダリー取引(安定稼働中の太陽光発電所の売買)の活性化に必要な、発電事業の継続性に関するリスクを評価する指標として制定したとしている。

 太陽光発電関連のほか、金融・保険、学術などさまざまな分野の関係者による「太陽光発電事業の評価ガイド策定委員会」(事務局:JPEA)によって制定した。

 再生可能エネルギー発電電力の固定価格買取制度(FIT)が始まって以降、とくに太陽光発電所については、専門的な知識が不足したまま発電事業を手掛けている場合が見受けられる。安全性の確保や発電能力を維持する視点から、適切に運営されていないサイトもあり、問題視されている。

 とくに、連系出力10kW以上、50kW未満の低圧配電線に接続する太陽光発電所は、約47万件・合計出力約12GWと多い上、個人による所有が多いこともあって、設計や施工が不適切など、FITによる買取期間中の適切な運用だけでなく、買取期間の終了後の継続稼働や、そのために必要な再投資へのリスクが指摘されている。

 そこで、これまでJPEAで打ち出してきた太陽光発電設備に関する技術指針だけではなく、土木や構造、土地や権原関係も含め、発電事業全体を評価できるためのガイドが必要と考え、策定に至ったとしている。

 今回のガイドの活用によって、設備全体で必要な対策が明確になり、結果として設計・設置工事などの初期投資の低減や、適正なメンテナンスを後押しすると強調している。

 主な評価項目は、(1)土地・権利関係として、発電・送電、事業用地といった発電事業のための権原、これらの事業用地の利用に関する法令などの手続き、(2)土木・構造関係として、敷地・地盤、擁壁などの外観や、基礎・土台・架台、排水の状況などの確認、(3)発電設備では、電力関係と竣工関係の書類、電気の設計や設置機器、発電システムの設計などに分けている。

 評価の手順として、例えば、売買などのために発電事業の評価を依頼する場合、まず、評価対象となる太陽光発電所の事業(設備)ID、所在地(事業用地の全筆)を確認する。

 次に、1次評価・2次評価を実施する。これは、目的に応じた評価項目を選択し、評価項目ごとに評価内容の詳細を決める。必要書類を準備し、書類の確認と必要に応じて現地で確認、調査、測定する。

 その後、評価結果の報告書を作成し、概要、詳細リスト、詳細説明を記述する。そして、修繕や補修などが必要な場所を発見した場合には、早期に依頼者と協議する。こうして評価の依頼者は発電事業の状況を把握でき、その結果に基づいて売却や購入、保守点検、修繕などの必要性を判断する。

 JPEAでは、今回の評価ガイドを広めるため、今後、web上での公開のほか、関連セミナーや研修などを企画・実施していくとしている。

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