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東北町で「ナガイモ発電」、FITで売電し排熱をハウスに利用

2018/07/06 15:43
工藤宗介=技術ライター
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青森県内でのナガイモの栽培風景
(出所:日経BP)
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 日立キャピタルの子会社である日立グリーンエナジー(東京都港区)は7月2日、青森県東北町の農作物残さ(非食用部)などを活用したバイオガス発電事業に対して6月29日付で出資したと発表した。12月に運転開始する予定。

 このプロジェクトは、再生可能エネルギーベンチャーのイーパワー(東京都港区)が中心となり、ゆうき青森農業協同組合(JAゆうき青森)と連携して推進する。同協同組合から排出されるナガイモ(長芋)の残さを発酵させて可燃性ガスを取り出し、出力30kWのガスエンジン発電機を稼働して売電し、排熱も活用する。

 ゆうき青森農業協同組合は、ナガイモの出荷量でトップクラスとなっている。選果場で大量に発生するナガイモ残さの廃棄処理に、多額の費用がかかっていた。

そこで2005年からナガイモ残さの有効活用に取り組み、2016年には食品・木質廃棄物処理を手掛ける小桝屋(名古屋市)と共同で新エネルギー・産業技術総合開発研究機構(NEDO)の事業性評価(FS)事業を実施するなど、メタン発酵による自家処理を検討してきた。

 今回の事業では、FSの成果を引き継ぎ、日量4t強のナガイモ残さなどをメタン発酵槽に投入してバイオガスを生成する。ガス発電機の定格出力は30kWで、一般家庭53世帯分に相当する年間約16万kWhを発電し、固定価格買取制度(FIT)を利用して東北電力に売電する。買取価格は39円/kW。

 バイオガス発電は、24時間発電でき、ベース電源になり得る。また廃棄物処理コストを削減できる効果も見込まれる。さらに、JAゆうき青森では、発電機から回収する排熱をビニールハウスで活用して冬場の農業を可能にする熱電併給(コージェネレーション)システムにも取り組む。

 豊橋技術科学大学とイクナム研設(愛知県豊橋市)などを中心とする産学コンソーシアムが開発した「豊橋式バイオガス発電システム」を採用した。発電機は、中国のガス発電機専業メーカーの製品をイーパワーが代理店として輸入した。設計・施工は、イクナム研設の関連会社であるゼネック(愛知県豊橋市)が担当する。

 豊橋式バイオガス発電システムでは、バイオマス発生量に合わせた規模のメタン発酵槽を発生地に設置し、50kW未満の低圧配電線に連系する。これまでに3件のプラントが中部地方の養豚農家で稼働している。日立グリーンエナジーは、同コンソーシアムと連携し、全国の農業協同組合や食品工場、大型商業施設、自治体などに向けてバイオガスエネルギー事業の展開を目指す。

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