地域間連系線と地内送電線(ローカル系統)の潮流管理に関する現状比較
(出所:電力広域的運営推進機関)
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系統を増強する上での混雑度合いの3つの基準
(出所:電力広域的運営推進機関)
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各基準において必要となる潮流管理方法
(出所:電力広域的運営推進機関)
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 経済産業省は6月19日、「再生可能エネルギーの大量導入時代における政策課題に関する研究会」(略称:「大量導入検討会」)の第4回会合を開催した。同検討会は、再エネを大量導入していく上での障害や課題を整理し、その解決の方向性について議論するのが目的。

 海外の再エネ事情などに詳しい専門家からの説明とそれを受けた討論という形式で進めている(関連記事)。第4回では、「米国における送配電事業者と再エネ事業者の取り組み」と題して、東京電力ホールディングス常務執行役の岡本浩氏から報告があった。

 同氏は、米カリフォルニア州での「コネクト&マネージ」の運用、再エネに対する出力抑制、スマートインバータ、再エネ導入を評価する託送制度などに関して解説した。

 「コネクト&マネージ」とは、ローカル系統の制約に関しては、現在の日本で導入している「先着優先」(系統の空き容量の範囲内で先着順に受け入れる制度)でなく、混雑時の出力抑制など、一定の条件下で接続を認める仕組み。

 同氏によると、米加州の「コネクト&マネージ」では、ローカル系統が混雑した場合、系統運用者が出力調整する方式と、オークションなど市場を通じて出力を決める方式があるという。また、現在では、同州のほとんどの系統運用者は、再エネ事業者に対して、一時的な出力抑制を許容した接続(Non-firm接続)を求めており、そうした条件下でも再エネ比率が伸びているという。

 こうした報告を受け、「コネクト&マネージ」の下でも、再エネ事業に対してファイナンスが付いている背景などについて議論された。米国では、系統に関する公開情報をもとに技術コンサルタントや金融機関が出力抑制の頻度を独自のノウハウで予測した上で、一定のリスクを加味してファイナンスが行われていると推察されるという。こうした実態を参考に、「日本でも、コネクト&マネージを導入する前提として、現状では、不十分な系統情報の公開を徹底すべき」との意見が委員から相次いだ。

 この後、電力広域的運営推進機関の佐藤悦緒理事が、「日本版コネクト&マネージ」の検討状況について報告した。同機関では、系統の設備効率向上という視点から、系統の混雑度合いをA基準(原則的に混雑が発生しない)、B基準(想定事象の範囲内で混雑が発生しない)、C基準(想定潮流の範囲で混雑が発生する)と3段階に整理し、設備増強を判断している。加えて、C基準のもとで設備を増強せずに新規電源を受け入れる場合(いわゆるコネクト&マネージ)を踏まえ、複数の既存事業者間の円滑な調整ルールの在り方に関して検討し始めているという。

 「大量導入検討会」は、次回の第5回で論点を取りまとめ、今後、新エネルギー小委員会や調達価格等算定委員会などの場に議論が引き継がれることになる。「日本版コネクト&マネージ」に関しては、「今回の議論を踏まえ、新エネルギー課の主宰する審議会と電力広域機関などが連携しながら、制度を固めていくことになる」(新エネルギー課の山崎琢矢課長)としている。