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世界最大のフィルム型ペロブスカイト太陽電池、東芝とNEDOが開発

2018/06/18 14:56
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
世界最大面積のフィルム型ペロブスカイト太陽電池
(出所:NEDO、東芝)
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今回開発した大面積向け塗布プロセス
(出所:NEDO、東芝)
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メニスカス塗布技術によるフィルム型ペロブスカイト太陽電池モジュール製造のイメージ
(出所:NEDO、東芝)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東芝は6月18日、モジュール面積703cm2でエネルギー変換効率11.7%を実現したフィルム型ペロブスカイト太陽電池モジュールを開発したと発表した。新たなプロセスの開発などにより、従来困難だったセル(発電素子)の大面積化と高効率化を両立した。フィルム型ペロブスカイト太陽電池のモジュール面積としては世界最大という。

 フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、フレキシブルかつ軽量なため、耐荷重性の低い建築物への設置やZEB/ZEHの普及につながる壁への設置など、多様な設置形態に対応できる。また、安価な材料で塗布・印刷によって形成できるため低コストで製造できる。

 その一方で、小面積セル(0.09cm2)ではエネルギー変換効率22.7%と結晶シリコン太陽電池セルに迫る高効率が実証されているが、より大きなセル面積では均一な膜形成が難しく特性が大きく低下する傾向にある。また、フィルム上への成膜も難しく15cm×15cmを超えるサイズのモジュールは実現されていなかった。

 今回、東芝が持つメニスカス塗布技術(表面張力を利用した塗布技術)を使い、インク組成を工夫して基板上でのヨウ化鉛(PbI2)とヨウ化メチルアンモニウム(CH3NH3I)(MAI)の反応を制御することで、大面積への塗布を可能にした。また、塗布する際のプロセス制御とペロブスカイト結晶成長条件を適正化することで、大面積での面内膜厚均一性、結晶膜質の均質性を高めることに成功した。

 今後、実用化サイズと想定される900cm2に向けてさらなる大面積化とともに、ペロブスカイト層の材料改良などで結晶シリコン太陽電池並みの高効率化を進める。最終的には、2030年に発電コスト7円/kWhの実現を目指す。なお、パシフィコ横浜で6月20日から開催される「第13回再生可能エネルギー世界展示会」に試作品を出展する。

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