注目度が急速に上がっている自動運転システムの開発技術を、東京大学 准教授の加藤真平氏がDAシンポジウム2016(2016年9月14日~16日に石川県加賀市で開催)の基調講演で紹介した 。同氏は講演の1年前にレーザーセンサーとカメラを使うだけで自動運転が実現できるソフトウエアを開発した。そのソフトをプラットフォームとして自動運転システムを構築する方法を、計算量やリアルタイム性に関する課題に触れながら、今回の講演で語った。

講演する加藤真平氏。筆者撮影。

  今回の基調講演のタイトルは「オープンソースを利活用した完全自動運転システム研究開発プラットフォーム」である。同氏はもともと計算機科学、とくに組み込み領域の研究者で、リアルタイム、並列計算、高速化を強みとしている。これらの強みを車へ活用しようと自動運転の領域に飛び込んだという。計算機科学の力を使って市街地をデータ化することで安全な自動運転が実現できると踏んだ。ただし、自動運転の実用化は始まったばかで、同氏の強みを活かした研究に取り組むためには、まず自動運転システム一通り実現する必要があった。 そこで同氏は、オープンソースのソフトウエアを利用して、自動運転ソフトウエアを作り上げた。自動運転にはレベルがあり、同氏は平常時も緊急時もコンピューターが対応するレベル4を狙っているとのことだった。

第三者が乗っても安全なレベルを達成

 加藤氏は 講演の1年前に、レーザーセンサーとカメラを使って自動運転を可能にするソフトウエア「Autoware」(Webサイト)を開発した。このソフトウエアを使うことで、第三者に乗って体験してもらえるレベルの安全性を持った自動運転システムを構築できたという。 例えばアイサンテクノロジー(本社:愛知県)では、Autowareを自動運転実験基盤として活用している。同社は1週間程度で自動運転システム用のソフトウエアを仕立てることができたという。また、ヤマハ 発動機がAutowareを使った事例では、山間部の道路での自動運転がAutowareのカスタマイズなしで実現できたとのことだった。

自動運転ソフトウエア「AutoWare」の概要。講演者のスライド。

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