福井県美浜町は、三方五湖の観光遊覧船として、太陽光発電の電力を活用した電気推進船(ソーラー船)の開発を推進している。2023年春の北陸新幹線敦賀開業に伴う誘客を視野に、再生可能エネルギーを活用した新たな観光事業の提案・展開を目指す。

 ソーラー船は、40人乗りで推進用の蓄電池と電動モーターで駆動する推進機(スクリュー)を搭載し、低速域は5ノット、高速域は13ノットで航行する。さらに、船上に太陽光パネル(出力2kW)を備え補助的に使用する。船上で内燃エンジンを使わず、蓄電池からの電気だけで推進することで環境性や経済性を高めるとともに、騒音や振動を低減し快適性も兼ね備えた。

ソーラー船のイメージ図
(出所:美浜町)
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 発着場には、太陽光パネル(出力40kW×2基)と定置型蓄電池を設置した施設「新美浜町レークセンター(仮称)」を建設。太陽光パネルと系統電力を使って、いったん定置型蓄電池に電気を貯め、急速充電器を経由してソーラー船に搭載した蓄電池に充電する。

ソーラー船の運航システム
(出所:美浜町)
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 三方五湖の遊覧船事業は、地元事業者の三方五湖レークセンターが運営していたが、観光客の減少などにより2016年12月に廃業した。しかし、廃業時も年間3万人近い乗船客がいたことから、美浜町では再開の検討を進めていた。

 今後2年間で実験船を開発し、実証実験を行う。6月に開会予定の町議会定例会に補正予算案(システム開発・実証実験に1億4115万4000円、造船に7700万4000円)を提案する。事業費のうち「エネルギー構造高度化・転換理解促進事業費補助金」から1億4000万円、「新ふるさと想像推進事業補助金」から3800万円の補助金を受ける計画(関連記事:ナイアガラの滝の観光船を再エネで運行、蓄電池搭載「フル電動船」で) 。