東北電力は5月30日、固定価格買取制度(FIT)の買い取り期間が終了した「卒FIT」住宅用太陽光発電設備を持つ顧客向け新サービス「ツナガルでんき」を11月から提供すると発表した。太陽光発電の余剰電力の買い取りのほか、余剰電力の「預かり」、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)や蓄電池のリースなどのサービスメニューを用意した。

 「シンプル買取サービス」は、太陽光発電の余剰電力を同社が引き続き買い取るもの。買取単価は9円/kWh(消費税相当額10%を含む)で、購入翌月に顧客指定の口座に振り込む。対象エリアは東北6県(青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島)と新潟県、同社の首都圏向け料金プラン「よりそう、でんき」に加入する関東地方1都6県と山梨県、静岡県の一部を含む。

 「でんきお預かりサービス」は、余剰電力を月300kWhの上限まで預かり、使用電力から差し引く形で返す仮想的な蓄電池サービス。差し引き後に残った電気は翌月に自動で繰り越す(3月末時点の残高はシンプル買取で買い取る)。

 サービス料金は月額6980円。預けた電力を自身で使う「セルフプラン」と、離れて暮らす家族とシェアできる「家族シェアプラン」を用意した。対象エリアは東北6県と新潟県。家族シェアプランのシェア先は首都圏の「よりそう、でんき」加入家族も選べる。

「でんきお預かりサービス」のイメージ
(出所:東北電力)
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 「エコキュート・蓄電池リースサービス」は、余剰電力を自家消費したり、災害などの停電に備えたりする顧客向けに、同社グループ企業のEライフ・パートナーズが展開する「すぽっ!と電化リース」を通じて最大10年のリース契約を提案する。リース方式により、初期費用を抑えながら機器を導入できる。

ヒートポンプ給湯機(エコキュート)や蓄電池のリースサービスのイメージ
(出所:東北電力)
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 このほか、「卒FIT」電源を対象とした参加型実証プロジェクト「家庭向けVPPプロジェクト」を実施する。この実証では、翌日の太陽光発電量を予測した上で顧客の生活スタイルに合わせてエコキュートや蓄電池を遠隔制御し、顧客の快適性を損なわずに月1~2回程度、需要家設備でのデマンドレスポンス(需要応答)を実施する。

「家庭向けVPPプロジェクト」のイメージ
(出所:東北電力)
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 参加条件は同社と電気契約があり「よりそうeねっと」会員であること、新たに同社グループ企業の蓄電池リースサービスを成約すること、インターネット回線など通信環境が利用できることなど。最大100人募集し、参加者には最大1万ポイントの「よりそうeポイント」をプレゼントする。

 同社によると、東北6件と新潟県において11月末時点で約3万2000件、約12万4000kWの家庭用太陽光発電が「卒FIT」を迎え、10年後の2028年度末には約18万5000件、約84万7000kWに達する見通し。