テルモは2016年5月下旬、世界初という心不全治療用の再生医療等製品「ハートシート」を発売した。患者の大腿部から採取した細胞(骨格筋芽細胞)を培養してシート状にし、患者の心臓表面に移植することで、虚血性心疾患による重症心不全を治療する。

ハートシートを用いた治療の流れ
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 ハートシートは、患者の細胞を採取するための「Aキット」と、培養した骨格筋芽細胞と細胞をシート化するための「Bキット」から成る。今回、保険診療1例目となる患者の細胞採取に向けて、医療機関向けにAキットを発売した。薬物治療や冠動脈バイパス手術などの標準治療では効果が不十分な重症心不全を対象とし、年間20~30例の使用を見込んでいる。

 大阪大学 大学院医学系研究科 心臓血管外科 教授の澤芳樹氏が開発を主導し、同大学とテルモの共同研究で製品化にこぎ着けた(関連記事)。再生医療の実用化促進に向けて厚生労働省が制定した早期承認制度「条件及び期限付き承認」が初めて適用された製品でもある。