関西電力、エリーパワー(東京都品川区)、三社電機製作所の3社は5月22日、需要家が保有する約1万台もの蓄電池の充放電を、遠隔から秒単位で一括制御できることを実証したと発表した。3社は、引き続き実用化に向けた技術の確立を目指すとしている。

 関西電力がNECと構築した蓄電池を一括制御するための蓄電池群監視システム「K-LIBRA」と、エリーパワーの開発した家庭用蓄電池、および三社電機の開発した産業用蓄電池を連携させ、システムからの指令に対する蓄電池の応答性能を検証した。

 その結果、中央給電指令所からの出力制御指令を模擬的に受信してから約2秒で、実機の蓄電池2台と模擬の蓄電池9998台に対して制御指令を送信できることを確認した。また、実機の家庭用蓄電池と産業用蓄電池が、秒単位の周期の短い負荷変動に応答できることも確認したという。

1万台規模の蓄電池遠隔制御の実証実験結果
(出所:関西電力、エリーパワー、三社電機製作所)
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 NECの蓄電池群制御システムは、独自の階層協調制御方式・仮想統合制御技術から構成される。今回の実証実験では、1万台規模における秒単位での一括制御のほか、1台の蓄電池で電力系統の安定化に寄与する周波数制御と需要家蓄電池本来の利便性であるエネルギー管理やBCP(事業継続計画)対策などを両立する同時マルチユースも実証した。

 従来は、時間帯ごとにVPP(仮想発電所)サービスとエネルギー管理サービスを分ける必要があるため、定格出力に対して片方のサービスが占有しているものの、未利用の領域が存在していた。同時マルチユースでは、両方のサービスを同時に実現するため、定格出力のすべての領域を有効活用できるという。

蓄電池の同時マルチユースのイメージ
(出所:NEC)
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 今回の実証試験は、関西電力が資源エネルギー庁の補助事業「平成30年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」に申請し、補助金の執行団体である一般社団法人・環境共創イニシアチブからの交付決定を受けて実施した。