山葵沢地熱発電所
(出所:湯沢地熱)
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 電源開発(Jパワー)などが共同出資する湯沢地熱(秋田県湯沢市)は、定格出力46.199MWの地熱発電所「山葵沢地熱発電所」を建設し、5月20日に運転を開始した。出力10MW超の大規模地熱発電所の稼働は国内で23年ぶりという。

 当初は42MW規模の計画だったが、機器設計を進めるなかで出力向上が可能になった。年間発電量は、一般家庭9万世帯分に相当する約3億3500万kWhの見込み。発電電力は全量を東北電力へ売電する。固定価格買取制度(FIT)の売電単価は26円/kWh。

 地熱発電設備のエンジニアリング・調達・設計工事は東芝エネルギーシステムズが担当した。生産井から得られた一次蒸気および熱水を減圧することで得られる二次蒸気により発電するダブルフラッシュ方式を採用した。

 湯沢地熱は、2010年4月に設立された地熱発電事業者であり、Jパワーが50%、三菱マテリアルが30%、三菱ガス化学が20%を出資する。山葵沢地熱発電所は、独立行政法人・石油捻転ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の地熱資源開発資金債務保証支援を受けて開発した。

 Jパワーにとって宮城県大崎市の「鬼首地熱発電所」に次ぐ2カ所目の地熱発電所となる。鬼首地熱発電所は、1975年に営業運転を開始し、40年以上の稼働で設備の経年劣化が進んだことから、2017年4月に運転を終了した。現在は設備更新工事(出力14.9MW)を行っており、2023年4月の運転開始を目指している。

 日本は、米国、インドネシアに次ぐ世界で3番目に地熱資源が豊富な国であり、その資源量は2.3GWと推定される。現在の国内の地熱発電設備容量は534MWに留まるが、天候に左右されず地政的にも自立していることから再生可能エネルギーの中でもベースロード電源として期待され、数MW級以下の中・小規模の発電所が多数計画されている。