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東電、再エネの「ノンファーム型接続」を千葉方面に試行的に導入

2019/05/21 12:41
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 東京電力パワーグリッド(東電PG)は5月17日、再生可能エネルギーの接続可能量を増やす試みとして、「日本版コネクト&マネージ(C&M)」の1つである「ノンファーム型接続」を千葉方面の基幹系統を対象に試行的に導入すると発表した。

 東電PGによると、千葉方面では、再エネの系統接続の申し込みが多く、千葉基幹系統の佐京連系が混雑し、千葉系統全体が「空き容量ゼロ」の状況になっているという。こうしたなかでも、「ノンファーム型接続」により、「相応の規模」の再エネが系統連系できる可能性があるとしている。

 「日本版C&M」とは、現状の電力系統に大幅な投資をせず、運用方法の工夫によって再エネの接続を促進する手法。具体的には、(1)実態に近い想定で空き容量を算定する「想定潮流の合理化」、(2)緊急時用の枠を活用し、事故時に瞬時遮断する「N-1電制」、(3)混雑時の出力制御を前提に新規に接続する「ノンファーム型接続」――の3つがある。

日本版C&Mの潮流イメージ
(出所:電力広域的運営推進機関)
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 経済産業省と電力広域的運営推進機関は、この3つのうち、2018年4月から「想定潮流の合理化」を実施するとともに、「N-1電制」については、2019~20年度に具体的な改定内容について検討しつつ、精算システムを開発し、2022年度に本格的な運用を開始するとのスケジュールを公表していた。

 ただ、「ノンファーム型接続」に関しては、「配電系統を含めた仕組みはシステム開発に相当程度の時間がかかるため、基幹系統での導入を先行して検討してはどうか」(広域機関)とし、具体的な導入スケジュールを示していなかった(関連記事:「N-1電制」で再エネ40GWの追加接続が可能、2022年度に本格運用)。

 こうしたなか、経産省が今年1月にとりまとめた再エネ大量導入にむけた「中間整理」では、「日本独自のノンファーム型接続を検討するためのフィージビリティスタディを行う。また、実証に向けて具体的な地点や電源の選定を検討する」「基幹系統における恒久ノンファーム型接続の検討を着実に進める」との方針を示していた。

 今回の東電PGの発表は、こうした政府の方針を受け、基幹系統に先行的に導入するもので、全国的にも初めての「ノンファーム型」による再エネ接続になる。

 東電PGは、2019年6月1日から、接続検討の申し込み回答に反映する。具体的には、以下の条件を承諾の前提とする。(1)容量市場に参加できない可能性が高いこと。(2)系統制約による発電計画などの変更(オンライン)を許容し、必要な装置を導入すること。(3)試行であることを踏まえ、制度の移行によって受ける不利益を受容すること。

 また、同社では、基幹系統の制約による発電出力抑制の予見性を高めるため、発電事業者への系統情報の公開・開⽰に向け準備を進めているとしている。

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