宮崎における走行時の車両取得日射量の計測結果
影による日射量低下とともに反射による日射量増加も確認した(出所:NEDO)
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太陽光発電システム搭載車イメージ
(出所:NEDO)
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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は5月13日、太陽光発電システム搭載自動車検討委員会の「中間報告書第2報」を公表した。自動車に日射計を搭載して走行時に取得する日射量を計測した実験結果をまとめた。

 NEDOは、2016年4月に検討委員会を設置し、太陽光システム搭載車の実現による効果の検討を開始した。2018年1月には中間報告書第1報として、「太陽光発電システム搭載自動車は、運輸部門のCO2排出量削減に貢献することができ、利用パターンによっては、年間の充電作業回数をゼロとすることも可能」との試算結果を公開した(関連記事:「太陽電池の搭載で、EVの充電回数ゼロも」、NEDO報告書)。

 今回発表した「第2報」では、太陽光システム搭載車の太陽電池が受光・取得できる日射量を計測し、その特徴や傾向などについて予備的な検討を行った。検討委員会では、走行によって影の部分が動いたり入射角度が変わることに対する定量的な評価を課題のひとつに挙げていた。

 日本列島の北部に位置する札幌市、南部に位置する宮崎市で取得日射量を計測し、それぞれの地区のリファレンス地点と比較した。走行ルートは市街地区間、高層ビル区間、開放区間(札幌市はアンダーパス区間を含む)で、計測時期は2018年9月中旬~10月上旬(宮崎市)・10月下旬(札幌市)。

 予備検討の結果、建物や樹木、電柱などの影による一定量の日射量低下を確認した。低下度合いの主な要因としては影の発生頻度、影が生じてない場合の日射強度が考えられ、太陽高度が高く日射強度が強い場合は低下度合いが少ない。

 市街地区間や高層ビル区間では、リファレンス地点より日射量が大きい場合があり、建物からの反射による取得日射量が増加した可能性がある。また、影や反射による取得日射量の変動は、0.1秒未満の非常に短い周期で生じることが多い。

 これらの結果により「取得日射量として把握・計測するデータを拡充していくとともに、開発を効率的に実施していくためには、それらのデータを発電量予測に用いるための手法などもあらかじめ想定しておく必要がある」との示唆が得られた。今後も検討委員会による検討を継続し、太陽光発電システムの新たな市場創出、エネルギー・環境問題解決へのさらなる貢献を目指すとしている。