アナログ電源ICメーカーのトレックス・セミコンダクターは、2016年4月29日、シリコンバレーの中心地であるカリフォルニア州サンタクララ市で「R&Dセンター」の開所式を開催した。同年4月1日より同センターを稼働させている。開設の狙いは、シリコンバレーで成長している企業との協業や新技術の取り込みにある。

シリコンバレーの中心地のサニーベールにR&Dセンターを構える
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R&Dセンターが入る建物の外観
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 同社が成長させたい分野は、産業と車載だ。1995年の創業以来、同社の成長を支えたのは民生機器だったが、2009年の「リーマンショック」を経て思い切った“脱・民生”に取り組んだ(関連記事)。民生機器向けのコスト競争で赤字となった事業から撤退する一方、産業と車載の両分野の取り込みに成功、2013年以降、売り上げは安定した成長をしている。

トレックス・セミコンダクター代表取締役社長の芝宮孝司氏(左)は、開所式で「さらなる事業の拡大と発展のためにR&Dセンターを開設した。東京証券取引所の(現在の二部上場から)一部上場を目指す」と述べた。電気自動車やドローンなどに加え、自転車で使われる電源ICの可能性に注目している。同社の米国子会社のChief Operating Officerを務める山本智晴氏(右)は、民生分野に加え産業・車載分野の展開によって世界中に5000以上の顧客がいることを強調した。IoT(Internet of Things)分野の取り込みも狙うという。
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 産業/車載機器は、同社が得意としている小型・低消費電力・低雑音の価値を生かしやすい分野と同社では見ている。民生機器のように需給バランスの悪化で価格が価値を下回る恐れが少ない。今後も同社にいっそうの成長をもたらす余地があり、いわば新・成長エンジンの役割を担うのが、このほど開設したR&Dセンターだ。

R&DセンターDirectorの市場弘児氏。米国はもとより世界の産業の成長源がシリコンバレーにあると強調、この地で協業による相乗効果を狙うとした。
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