東北電力と東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は4月26日、分散電源を活用した顧客同士の電力直接取引(P2P電力取引)に関する共同研究を行うと発表した。P2P電力取引を実現させるためのビジネスモデルや、最適な設備形成・系統運用方法のあり方について検討する。期間は2020年3月までの約1年間。

 住宅用太陽光発電設備や蓄電池の普及、新たな情報技術の進展に伴い、将来的には一般家庭で発電された余剰電力を、電力会社を介さず顧客同士で直接取り引きする可能性があるという。しかし、現時点では、P2P電力取引を実現するための具体的なビジネスモデルが確立されておらず配電系統に与える影響も不透明な状況という。

 共同研究では、P2P電力取引を成立させるための具体的な取引方法(マッチング手法)を検討するとともに、取引を記録する手段としてブロックチェーン技術の有効性について検証する。また、配電系統を模擬した精緻な検証用モデルを構築し、太陽光発電設備や蓄電池の普及率に応じて取引量を増減させるなどのシミュレーションを行い、配電系統への影響を評価する。

実証研究のイメージ。マッチング手法などを検討する
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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 シミュレーションモデルの規模はこれから検討するが、配電用変電所1カ所程度(低圧顧客が約2万件、1世帯あたり約5kWの太陽光発電と約6~10kWhの蓄電池を設置)を想定する。東北電力はシミュレーションモデルおよびP2P電力取引ビジネスモデルの検討、東芝エネルギーシステムズはシミュレーションモデルの開発と各種分析、ブロックチェーン技術の有効性評価を行う。

 太陽光の余剰電力を顧客同士が直接、やり取りする「P2P」取引に関しては、東電が子会社を通じて実用化を進めているほか、関西電力や中国電力がIT関連企業と共同で研究を始めている(関連記事:中国電力と日本IBM、「卒FIT」太陽光など融通)(関連記事:東電、「P2P」に向け新会社、再エネ電気を取引)(関連記事:関電、住宅太陽光の余剰を直接取引、ブロックチェーンで実証)。