秩父新電力株式会社のイメージ
(出所:秩父市)
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 埼玉県秩父市とみやまパワーHD(福岡県みやま市)は、再生可能エネルギーの地産地消を目指して、地域新電力会社「秩父新電力株式会社」を4月4日に設立した。今後、市内にある太陽光発電所などの再エネを購入し、公共施設への電力供給を行う予定。

 秩父市内には、太陽光発電などの再生可能エネルギー発電施設が数多く存在する。しかし、そのほとんどの電力は、市内では使われず、市外に売電されている。また、市内に電力会社がない現状では、市外の電力会社に支払う電気料金として数十億円が市外に流出しているという。

 これらの課題に対応するには「地域の再生可能エネルギーを地域で利用する」「地域から流出していたお金を地域内で循環させる」ために、電力を「仕入れて卸す」仕組みが必要と判断した。その役割として今回、地域新電力会社を設立した。ドイツに1100社以上ある自治体出資の行政サービス会社「シュタットベルケ」の秩父版を目指すとしている。

 新電力会社では、市内で適正に運営されている再エネ事業者から電力を購入するほか、日本卸電力取引所などから電力を調達する。2019年4月から公共施設への電力供給を開始し、その後は条件が整い次第、企業や一般家庭への電力供給を行う予定。

 秩父市内には、同市が市有地などを活用して、公募プロポーザル方式で誘致したエルゴ サン ジャパン(Hergo Sun Japan、東京都港区)のメガソーラー(大規模太陽光発電所)「秩父1.0MW太陽光発電所」などがある (関連記事)。

 同市では、市内の再エネ事業者とはこれから交渉し、秩父市や新電力会社が太陽光発電設備を建設する予定はないとしている。

 今後は事業体制の構築、小売電気事業者登録、一般送配電事業者との契約などの事務・手続きを進めていく。最終的な資本金額は2000万円程度、出資比率は秩父市が8~9割程度になる見込み。代表取締役は秩父市長の久喜邦康氏、取締役にはみやまパワーHD社長の磯部達氏、同社ソリューション事業部長の滝澤隆志氏が就任した。