ニュース

太陽光の直流回路、「2000V」も視野、中国トリナ・ソーラーが展望

2018/05/02 14:38
加藤 伸一=日経BP総研 クリーンテックラボ
印刷用ページ
米国法人のRyan Simpson 製品・マーケティング担当上級マネジャー
(出所:日経BP)

 太陽光パネル大手の中国トリナ・ソーラーは、太陽光発電プロジェクトにおけるコスト低減や事業性を向上する手法として、直流回路のさらなる高電圧化を打ち出す。まず、1500V化の普及を促しつつ、その先には「2000V」も視野に入れているという。

 3月に開催した、同社の設立20周年記念と新戦略発表のイベントにおいて表明した(「エネルギーIoT」を主導、中国トリナが20周年で新戦略)。

 同社は、今後も太陽光パネルの価格低下に継続的に取り組むものの、パネル自体の技術が成熟期に入っていることから、コスト削減余地に限りがあるとみている。そこで今後は、パネルのコスト低減以外にも、発電事業の収益性を高める手法の提案を強化する。

 その一環として、太陽光パネル単体だけでなく、発電システムを構成する他の主要機器・資材・IT(情報技術)まで提供する。これにより、発電事業者やEPC(設計・調達・施工)サービス事業者は、パネルの性能をより引き出す発電システムを、設計の負担とコストを軽減しながら導入できるとしている。また、発電ロスを最小化するITシステムや遠隔監視システムにより、O&M(運用・保守)の負荷も軽減するとしている。

 産業用の太陽光発電システムでは、太陽光パネルから架台、パワーコンディショナー(PCS)、遠隔監視システムまで一括で提供する。発電設備を設置する環境によって、設計や提供する製品が変わる可能性があり、パッケージではなく、システムソリューションの提供と位置付けている。

 同社の米国法人のRyan Simpson 製品・マーケティング担当上級マネジャーは、産業用のシステム提案において、まずは導入の始まっている直流回路1500V化の普及を加速させることによって、システムコストの低減や事業性の向上を実現できると強調した。

 直流回路の1500V化には、太陽光パネルや電線、接続箱とともに、PCSの対応が重要になる。現時点では、PCSは一部の大手メーカーが対応した機種を製品化している。

 Simpson氏はまず、PCSの世界市場が拡大基調を続けていることを示し、需要の拡大から、より多くのPCSが今後、高電圧化の要求に対応していくのではないかと見ている。

 2017年のPCS市場は、出力ベースで約88.4GWとなった。出荷先別では、1位が中国、2位が日本、3位が米国となった。

 今後、2022年まで、中国は世界最大のPCS市場であり続ける。また、南アジア、中南米、中東・北アフリカは、今後5年間、年率20%以上で市場の拡大が続く。

 また、2017年のPCS市場は、出力5MW以上の発電所向けの出荷が約60%を占めた。同1MWから5MWの発電所向けの約14%と合計すると、約74%が出力1MW以上のメガソーラー(大規模太陽光発電所)向けとなった。

 こうした出力規模の大きな太陽光発電所ほど、直流回路を1500Vに高電圧化する利点が大きいことから、PCSメーカーも高電圧対応機を製品化すると見られる。

  • 記事ランキング