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独フォトボルト社、宇久島430MW、遠野市600MW、横浜町500MWで連系承諾

国内最大規模のメガソーラープロジェクトが相次いで動き出す

2016/05/01 11:13
金子 憲治=日経BPクリーンテック研究所
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ソーラーシェアリングのイメージ
(出所:フォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社)
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宇久島
(出所:フォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社)
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遠野市
(出所:フォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社)
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 ドイツの太陽光発電プロジェクト開発会社であるフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ(PVDP)社は、日本国内で開発中の8プロジェクトで合計1913MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)に関し、系統連系の承諾を得たことを明らかにした。同社のホームページ上で公表した。

 同社が日本国内で進めている主なメガソーラープロジェクトは、長崎県佐世保市宇久島での出力430MW、岩手県遠野市での600MW、青森県横浜町での500MW、秋田県由利本荘市のゴルフ場跡地での39MW、宮城県大崎市での155MW、山形県川西町のゴルフ場跡地での50MWなど。同社ホームページではこのほか2プロジェクトを公表しており、合計8案件で合計出力は1913MW(1.913GW)に達する。

 実現した場合、宇久島、遠野市、横浜町のプロジェクトは、着工している岡山県瀬戸内市の錦海塩田跡地のメガソーラー(230MW)を大きく上回り、国内最大規模となる。

 このうち佐世保市宇久島のメガソーラーについては、2014年10月に九州電力が接続申し込みの回答を保留した際、計画の続行を危ぶむ声もあった。だが、PVDP社は2015年11月、九州電力から系統連系の承諾を得たと発表。「この承諾もって、 太陽光発電設備と高圧直流海底ケーブル、および補助中高圧システムを宇久島に設置する技術段階に入る」とのコメントを出し、計画実現に向け、着実に歩を進めている。

 また、岩手県遠野市の案件についても、同市の本田敏秋市長は、反対の声明を出しているものの、東北電力から連系承諾を得ており、具体的な設計に入っている。

 PVDP社が宇久島と遠野市で計画しているメガソーラーの特徴は、農地の一時転用によるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)を前提に計画を進めていることだ。いずれも畜産業と太陽光による売電事業との併営を検討している。太陽光パネルの設置高を高くすることで、パネルの下で家畜を放牧できるようにする。

 宇久島のプロジェクトでは、PVDP社のほか、京セラ、九電工、オリックス、みずほ銀行の5社で協力して進めることで基本合意している。総投資額は約1500億円を見込み、京セラ製の多結晶シリコン型を採用し、約172万枚を設置する。発電した電力は、宇久島と九州本土の間に約60kmの海底ケーブルを敷設し、九州電力に売電する計画。

 系統連系の承諾を得たとはいえ、巨大な発電規模となるだけに、連系する電力会社から請求される工事費負担金と、一般的な架台よりよもコスト高になるソーラーシェアリング用架台などの費用を賄ったうえで、十分な事業性を確保できるか。それを踏まえたうえで、出資やファイナンススキームを整えられるかが今後の焦点となる。

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