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平塚沖で波力発電を実証、「反射波」利用し45kW

2019/04/09 11:00
工藤宗介=技術ライター
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平塚沖総合実験タワー
(出所:東京大学生産技術研究所、平塚市)
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平塚波力発電所の完成イメージ
(出所:東京大学生産技術研究所、平塚市)
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 東京大学生産技術研究所と神奈川県平塚市は3月19日、波力発電などの海洋再生可能エネルギーや海洋観測機器などの海洋活用技術の研究開発を推進し、新産業創出や人材育成に寄与することを目的とした連携協力協定を締結した。

 東京大学は、文部科学省東北復興プロジェクト(2012~2016年度)として、国内初となる波力発電所を岩手県久慈市に設置した。また、平塚市には、1965年に設置され現在は東京大学が管理する波浪観測施設「平塚沖総合実験タワー」があるほか、県内有数の工業集積地として自動車などさまざまな企業や企業研究所が立地し、人材や技術、知的財産などが集積している。

 両者は、これらの地域資源を活用して2016年6月に「平塚海洋エネルギー研究会」を発足し、平塚新港における波力発電の実証事業に向けた研究を進めてきた。2018年10月に環境省の「平成30年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(二次公募)」に採択され、平塚新港での実証事業にめどが立ったことから、実証事業の着実な実行と周辺技術などの活用を視野に入れた協定を締結した。

 実証事業では、平塚漁協南防波堤前面海域に「平塚波力発電所」を2020年2月に設置する予定。反射波を活用した油圧シリンダー鉛直配置式の波力発電所で定格出力は45kW(波高1.5m)、設備利用率は35%。久慈市の波力発電所を改良した2号機となる。代表者は東京大学生産技術研究所、共同実施者は川崎重工業、東京久栄、吉田組。

 このほかにも連携協定では、産官学民の連携・協力による海洋活用のモデルとして、平塚沖総合実験タワーと平塚波力発電所を中心とする海洋活用技術の研究開発拠点を構築し、技術研究組合の設立を進めていく。将来的には、AI、電気自動車、水素製造、化学など、対象分野の拡張を目指し、平塚市の産業界との連携を強化し、市民の科学技術リテラシーの向上を目指す。

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