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九電、アイルランド島で需給調整サービスを事業化

東大発ベンチャーと共同で20MWの蓄電池を設置

2019/03/28 18:48
工藤宗介=技術ライター
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山梨県での実証事業で導入したエクセルギーの蓄電池セル
(出所:日経BP)
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 九州電力は3月25日、次世代型の蓄電池技術を開発する東京大学発のベンチャー企業であるエクセルギー・パワー・システムズ(東京都文京区)と業務提携したと発表した。

 エクセルギーが推進するアイルランド島のプロジェクトに協同で参画し、電力需給バランスの改善に調整力を提要するサービスの事業化に取り組むなど、海外での事業創出を目指す。

 今回、エクセルギーと九電が協同で取り組むアイルランド島のプロジェクトでは、電力需給調整市場での調整力を蓄電池で提供する。容量は20MW規模で、2019年度末から導入を開始する予定。

 エクセルギーは、独自開発の水素蓄電池「エクセルギー電池」による蓄電池システムなどの開発・製造を手掛ける。エクセルギー電池は、温度上昇を5度以内に抑える独自の電池構造を採用し、一般的な蓄電池を上回る連続的な急速充放電が可能という。

 電池内部に水素を封入して酸化による電極の劣化を抑え、充放電サイクル15万回以上を実現した。電離起電力を充電電圧で設定できるため、制御装置がなくても過充電せずフローティング充電が可能で、無停電電源装置などにも向くとしている。

 エクセルギーは、これまで米国ハワイ州や欧州において需給バランス安定化の実証プロジェクトや、山梨県と連携したメガソーラー(大規模太陽光発電所)の出力を安定化する蓄電池システム、国内港湾施設や鉄道システムの省エネを実現する実証プロジェクトなどに取り組んできた。アイルランド島のプロジェクトは、初めての事業化となる(関連記事:メガソーラー出力をニッケル水素電池で平滑化、山梨県とベンチャーが実証)。

 九州電力では、未来の事業を創出する「KYUDEN i-PROJECT」として、2017年度からスタートアップ企業との連携を強化している。今回の提携もその一環となる。

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