ニュース

「CO2フリー水素」の製造・貯蔵を大幅簡素化、設備費50%低減

2019/03/19 16:09
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ

 JXTGエネルギー、千代田化工建設、東京大学、豪クイーンズランド工科大学(QUT)の4者は3月15日、オーストラリアで太陽光発電を用いて有機ハイドライドを低コストで製造し、日本で「CO2フリー水素」を取り出す技術の検証に成功したと発表した。

技術検証の各工程と役割
(出所:4者共同のニュースリリース)
クリックすると拡大した画像が開きます

 水素を貯蔵・運搬するには、従来は水電解によって生成された水素をタンクに貯蔵し、有機ハイドライドの一種であるメチルシクロヘキサン(MCH)に変換する必要があった。今回の検証では、水とトルエンから直接MCHを製造する「有機ハイドライド電解合成法」を用いた。

 有機ハイドライド電解合成法では、従来技術と比べて水素の製造工程を大幅に簡素化できるという。将来的には、水素6000Nm3/h(3MW規模)時のMCH製造に関する設備費を約50%低減できる見通し。

有機ハイドライド電解合成法の仕組み
(出所:4者共同のニュースリリース)
クリックすると拡大した画像が開きます

 さらに、MCH製造に必要な電力に太陽光発電の電気を用いて、製造時にCO2を排出しない「CO2フリー水素」を約0.2kg製造することに成功した。今後は、同製法によるCO2フリー水素製造技術の社会実装に向けた開発に取り組んでいく。

 東京大学が主催する水素サプライチェーン構築を目指す社会連携研究に、各工程に必要な技術と知見を持つJXTGエネルギー(有機ハイドライド電解合成技術)、QUT(高効率の追尾型太陽光発電システム)、千代田化工建設(水素取り出し技術)が参画して実施した。

水素サプライチェーン簡素化のイメージ
(出所:4者共同のニュースリリース)
クリックすると拡大した画像が開きます
  • 記事ランキング