英国の調査会社Wood Mackenzieと米国太陽光エネルギー産業協会(SEIA)は3月13日、2018年に米国で導入された太陽光発電の設備容量が10.6GWとなり、前年比2%減に留まったとする調査結果を発表した(図1)。

図1●米国で導入された太陽光発電の設備容量の推移
(2019年以降は見込み、出所:Wood Mackenzie Power & Renewables)
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 両者が調査結果をまとめ、共同で刊行した報告書「U.S. Solar Market Insight」)(米国太陽光発電市場の洞察)によるもの。

 米国では、中国などから輸入される太陽電池セル(発電素子)や太陽光パネルから自国の太陽電池産業を保護するため、トランプ政権がセーフガード(緊急輸入制限)として最高税率30%の関税を2018年から導入している(関連記事1「米トランプ政権、輸入太陽電池への追加関税を承認、初年30%」)。

 このため、セーフガード発動後の米国の太陽光発電市場への影響が注目を集めており、米国内で太陽電池や太陽光パネルの増産を計画するメーカーが出てくるといった展開も見られた(関連記事2「トランプ関税の影響ジワリ、米で続々と太陽電池の増産計画」)。

24GWのメガソーラーが2018年にPPA締結、うち2.6GWが建設中

 同調査では、2018年の第4四半期には4.2GW、2018年全体では前年比2%減となる10.6GWの太陽光発電の設備容量が導入され、トランプ政権によるセーフガード関税の影響が限定的な範囲に留まったと見ている。

 さらに、2018年に締結された電力購入契約(PPA)によるメガソーラー(大規模太陽光発電所)の設備容量は約24GW、そのうちの2.6GWが既に建設中という(図2)。

図2●米国で稼働中または建設中・計画中のメガソーラー設備容量。計画中の案件はPPAが締結済み(Contracted)か、締結前(Announced)のいずれかである
(出所:Wood Mackenzie Power & Renewables)
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 SEIAのアビゲイル・ロス・ホッパー代表兼CEO(最高経営責任者)は、「米国の太陽光発電は2018年に成長期の苦しみを経験した。その大部分は、太陽電池や太陽光パネルに課せられた不必要な関税によるものだが、今回の調査で今後楽観できる理由が明らかになった」と述べている。

 調査を担当したWood Mackenzieは、米国の太陽光が2019年に前年比14%増の12GW以上成長すると見込む。今後5年間には米国内の太陽光の設備容量は2倍以上に増加し、住宅用太陽光で投資税額控除(ITC)が切れる2021年までに15.8GWの設備容量が導入されるとしている。