図 電気自動車(EV)向け電池の開発ロードマップを紹介する韓国Samsung SDI社Automotive & ESS Business, Vice President & Group Leader of Marketing & Product PlanningのZin Park氏
[画像のクリックで拡大表示]

 韓国Samsung SDI社は、2020年ごろまでに、1回の充電で電気自動車(EV)が600km走れるリチウムイオン電池を開発する方針を明かした。同社が2016年から供給する予定の電池はEVが300km走行できる性能を備える。2020年ごろの実現を目指す電池はこれに比べて、エネルギー密度が2倍近く高まることになる。

 同社Automotive & ESS Business, Vice President & Group Leader of Marketing & Product PlanningのZin Park氏が、「第7回 国際二次電池展」(東京ビッグサイト、2016年3月2~4日)で講演し、EV向け電池の開発ロードマップを示した(図)。

 Samsung SDI社のEV用リチウムイオン電池は、正極材に3元系(ニッケル(Ni)-マンガン(Mn)-コバルト(Co)酸リチウム:NMC系)、負極材にグラファイトを採用している。この材料を改良することで、2018年までにEVの走行距離を500kmまで延ばせるとした。具体的には正極材や負極材の粒子径を制御したり、グラファイトの結晶性を高めたりするという。

 さらに同社は電極材を変更することで電池の容量を増やし、2020年ごろには「走行距離を600kmまで延ばす」(Park氏)計画だ。正極材に使う3元系のNi含有量を増やすことで容量を増やしていく。最終的には高出力を見込めるNi-Co-アルミニウム(Al)酸リチウム(NCA)系の電極材を採用したいとした。負極材では、グラファイトをシリコン系(Si)材料に置き換えて容量を増やす狙いだ。電池セルの形状はいずれも、ドイツ自動車工業会(VDA)が定めた規格への準拠を想定している。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!