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日本気象、洋上風況調査に「浮体式」装置を導入

2019/03/13 11:03
工藤宗介=技術ライター
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AXYS FliDAR WindSentinel
(出所:日本気象)
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 日本気象(大阪市)は、洋上風力発電のコンサルタントサービスに向けた気象・海象観測システムとして、カナダ・AXYS Technologiesのフローティングライダーシステムを導入する。3月6日、両社の間で基本合意契約を締結したと発表した。

 日本では深い海域が多く、沖合に観測タワーを建設するのは費用面などで現実的ではなかった。今回導入する気象・海象観測ドップラーライダー「AXYS FliDAR WindSentinel」は、AXYSが開発した浮体式の気象・海象観測システムで、従来のタワー観測と比べて約3分の1から、4分の1の低コストで短期間に設置し、観測できるという。

 二重のドップラーライダー構成を採用し、複数の方向システム、3つの冗長電力供給システム、複数のデータ通信回線、海象センサー一式を備え、1つのシステムに障害が発生した場合でも長期間、安定的に運用できる。また、波、潮流、水質、鳥やコウモリの監視も可能で、発電所候補地の環境評価も行えるという。

 海上観測塔に対する12件以上の独立認証の実績があり、世界最長の稼働記録を持つ。台風や台風周辺のモンスーンの影響下でも信頼性の高いデータを記録できる。洋上の風車建設予定区域内で観測することで、実測による風況データを取り込んだシミュレーション結果が得られるという。

 AXYSは、リモートセンシングによるモニタリングシステムの設計・製造で45年以上の実績を持ち、10年以上前にドップラーライダーを使用した洋上風況評価を世界で初めて実現した。日本への導入は初めてになる。

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