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金沢工大、「DCマイクログリッド」にバイオマス発電を追加

スターリングエンジンで発電し、排熱を空調利用

2019/03/06 17:30
工藤宗介=技術ライター
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バイオマス発電設備
(出所:金沢工業大学)
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EV双方向高速充電器
(出所:金沢工業大学)
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 金沢工業大学は3月4日、同大学の白山麓キャンパス内にバイオマス発電設備と、電気自動車(EV)用向けに双方向型の高速充電器を導入したと発表した。地元産木材チップを使った熱と電気利用の実証実験や、EVを使ったエリア間の仮想配電線の実証実験が可能になるという。

 白山麓キャンパスでは、太陽光発電や蓄電池を設置し、ITを用いて電力を制御する「小エリア直流電力網(DCマイクログリッド)」を構築している。コテージ間をDC(直流)母線で接続し、再生可能エネルギーによる地産地消を目指している。

 今回新たに設置したバイオマス発電設備は、バイオマスボイラーの熱を、騒音や振動が少なく理論熱効率が良いとされるスターリングエンジンで電気に変換する。北菱電興、イクロス、成宏電機、みなみ設備工業が製造した。

 発電した電力は直流システムに接続し、地産地消に適した需要家本位の自律分散型制御の実証実験を行う。バイオマスボイラーの出力は燃料の投入量で調整できるため、エネルギーのベースロードとして運用できるという。

 また、バイオマス発電設備は、電力事業者の大規模発電と異なり需要家の近傍に設置できるため、排熱はそのまま空調として利用できる。今回の実証実験では、各需要家の熱と電気の消費状態を見て相互に融通することで、「熱と電気のエネルギー地産地消モデル」の実現を目指す。

 EV双方向型の高速充電器を使った実証実験では、平野部にある扇が丘キャンパスでEVを充電して山間部の白山麓キャンパスで利用するなど、EVを「動く蓄電池」として利用し、仮想の配電線として電気を輸送する。電力系統が停電した時には、EVを避難所などに移動させて非常用電源として活用することなどを想定する。

熱と電気のエネルギー地産地消シェアモデル
(出所:金沢工業大学)
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