期待のがん治療法、BNCTの治験が国がんでも

2016年度末に開始

2016/03/02 08:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 国立がん研究センターは、がんの「ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy:BNCT)」の臨床試験(治験)を2016年度末に開始する。同センター中央病院に導入したBNCTの治療システムについて、性能試験を経て2015年11月に原子力安全技術センターの施設検査に合格(プレスリリース)。2016年3月1日に記者発表会を開催し、治療システムを報道陣に公開した。

治療室。寝台に寝た患者の上側から中性子を照射する
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 BNCTは、核分裂現象を利用したがんの放射線治療である。ホウ素を含んだ専用薬剤をがん細胞に集積させ、中性子を照射してホウ素を核分裂させることで、発生したα粒子(ヘリウム原子核)とリチウム原子核でがん細胞を死滅させる。X線治療や粒子線治療など、従来の放射線治療と比べて「“超選択的”な治療」(国立がん研究センター 中央病院 放射線治療科長の伊丹純氏)であるのが特徴だ。がん細胞だけを攻撃する選択性の高さから、効果が高く副作用の少ない治療法と期待されている。

 2016年2月には、脳神経疾患研究所 附属 南東北BNCT研究センター(福島県郡山市)などがBNCTの第II相臨床試験(治験)を始めた(関連記事)。国がんでも治験が始まれば、臨床への導入に向けた機運がぐっと高まりそうだ。国がんでは、悪性黒色腫などが治験の良い対象になると考えているという。

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