「プリウス」の使用済み部品で小水力発電を低コスト化

2019/02/28 14:23
工藤宗介=技術ライター

 小水力発電装置の設計・製造などを手掛ける東北小水力発電(秋田市)は2月19日、ハイブリッド(HV)車「プリウス」の使用済みHVユニットをリユース(再使用)した小水力発電設備を開発すると発表した。高コストの要因であった発電機・制御機器の低コスト化が可能という。2019年度中の商用化を目指す。

 HVユニットのモーターを発電機に、インバーターやコントローラーを出力制御装置に活用する。モーター容量から定格出力を10kWに設定。また、直列・並列配置により適用範囲を広げ、電力会社への低圧連系接続となる50kW未満の市場を想定する。

HV車「プリウス」のHVユニットを活用した小水力発電機のモデル
(出所:東北小水力発電)
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 HVユニットのリユースにより、水力発電設備の電気機器部分のコストを約10分の1(同社比)まで低減。さらに、水車本体についても高度運転制御(可変速運転)による低コスト水車の開発や、水車翼の製作方法を変更することによるコスト低減を目指す。システム全体の販売価格は、1kWあたり60万円を目標とする。

 経済産業省のFIT設定コストによると、100kW以下の小水力発電の場合で建設費を1kWあたり100万円に設定している。一方、200kW未満の小水力発電(197件)のコスト平均値は同307万円、中央値は同194万円となっており、発電出力が小さくなるほど高コストになる傾向がある。

 豊田通商および早稲田大学と共同で研究開発を行う。豊田通商はHV車「プリウス」のEVユニットの供給、疲労試験の確認・評価、可変速制御運転の制御機器へのフィードバックを、早稲田大学は軸流タービン模型試験装置による疲労試験、可変速運転制御や製作方法変更による低コスト水車の研究開発を行う。

 国内の上水道施設や農業水利施設のほか、中東地域や東南アジアなどの海外市場も視野に入れる。発売1年目は年間で国内10台、6年目には年間で国内50台・海外450台の合計500台、累計で1140台の販売を目指す。