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「竹中脱炭素タウン」、太陽光・蓄電池・燃料電池を直流で統合

2019/02/20 19:52
工藤宗介=技術ライター
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 竹中工務店は2月18日、クラウド上のエネルギー管理システム(EMS)を活用し、再生可能エネルギー由来の水素を充填した燃料電池自動車(FCV)から建物に電力を送るV2B(Vehicle to Building)実証を行い、複数のFCVの電力供給を最適化することに成功したと発表した。

 同社は、東京本店が立地する江東区新砂エリアに「竹中脱炭素モデルタウン」の建設を進めてきた。自社開発のクラウド型EMSを用いて、太陽光パネルや定置型蓄電池、ガス発電機、電気自動車(EV)、水素製造装置、燃料電池などを目的に合わせて最適制御する実証を行ってきた。

FCVによるV2B実証の概要
(出所:竹中工務店)
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 今回の実証では、敷地内の水素ステーションにおいて、再エネ由来水素を充填したFCV 2台を、複数のエネルギーデバイス(発電機、蓄電池、太陽光パネルなど)を直流で統合したパッケージシステムに接続する。FCVで発電した電力をEMSで任意に指示された建物に供給した。また、停電時を想定して系統から切り離された避難所想定の建物に、FCV 2台と太陽光のみで電力供給した。

 実証結果によって、次世代自動車として普及が期待されるEV/PHEVに加えてFCVを建物の電源として活用するマネジメント技術、および非常時電源としてFCVを含む次世代自動車を活用するシステムを確立した。また、余剰再エネを水素に変換し、FCVを通じてまちの電力に利用するモデルを実現したことで、再エネ大量導入による脱炭素モデルのあり方を示したという。

 新設の実証設備は見学施設としても活用し、建築主や関係省庁、自治体に幅広く提案する。具体的なまちづくりプロジェクトに対しては、自治体やデベロッパーに向けて水素ステーションを地域のエネルギーステーションとして活用する全体構想を示し、避難所施設にV2Bシステムを提案していく。

建物と車が水素でつながる「脱炭素モデルタウン」
(出所:竹中工務店)
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