石油メジャー(国際石油資本)の英BPは2月14日、エネルギー市場見通し「BP Energy Outlook(BPエネルギー概況)」の2019年版を発表した(図1)。

図1●英BPが発表した「エネルギー見通し2019年版」の表紙
(出所:BP)
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 2018年版と同様、2040年までの期間にわたり、世界のエネルギー転換を形成する影響力と、そのカギとなる不確実性について考察、4つのシナリオを前提として見通しを提示した(図2)(関連記事:「2040年に再エネの比率は25%」、英BPのエネルギー見通し)。

図2●「エネルギー見通し2019年版」で前提とした4つのシナリオ。左図が一次エネルギー消費、右図が温室効果ガス排出量における各々のシナリオを示す
(出所:BP)
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 見通しの中心に位置付けている「進化する転換(ET)」シナリオでは、世界のエネルギー需要は年平均1.2%の割合で増加すると見込む。中国やインド、アジアといった新興国群の成長が後押しし、世界経済は2040年までに2倍以上に増加するが、省エネルギーの加速によりエネルギー需要の伸びは約33%の増加に留まる。

 再エネは年率で約7%と成長率が最も高いエネルギー源となる。エネルギー供給の伸びのうち85%は再生可能エネルギーと天然ガスによって賄われる。再エネは2040年までに世界の発電設備で最大の一次エネルギー源になるとしている(図3)。

図3●2040年までに再エネが最大の一次エネルギーになるとの見通し
(出所:BP)

 運輸・交通部門におけるエネルギー需要の伸びは過去と比較して大幅に鈍化するとし、その理由として、車両のエネルギー効率改善や自動運転、シェアリングエコノミーによるモビリティサービスの成長を挙げた。

 また、石炭のグローバル消費が横ばいとなっている背景には、中国やOECD諸国における需要減とインドと他のアジア諸国の需要増加が互いに打ち消し合っている状況があるとしている。

 温室効果ガスの排出量は、増加が続く。中でも米国では3年間の下落の後、2018年に上昇に転じたという。このため、排出量の抑制を達成するためには、包括的なエネルギー政策による対応が必要になると指摘した。