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東工大、再エネ急増に対応した新たな系統運用法、蓄電池と発電機を最適制御

2019/02/12 12:22
工藤宗介=技術ライター
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今回開発した手法による発電機2基と蓄電池の運用例
(出所:東工大)
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 東京工業大学は2月7日、変動性の再生可能エネルギー大量導入に対応し、安定的に電力を供給する新たな「前日計画法」を開発したと発表した。再エネによる発電量の変動幅を前日に予測(区間予測)することで、当日の運用において再エネや需要のリアルタイム変動に合わせて発電機や蓄電池を最適に運用する仕組み。

 現在の主要電源である大型の火力発電機の起動と停止には数時間程度の準備運転や事後運転が必須となるため、電力需要を適切に予測した上で前日の段階に発電機群の起動停止時刻を計画する必要がある。特に近年では、発電量が不確かな太陽光・風力発電の導入が加速しており、再エネによる発電量を差し引いた「正味電力需要」の予測がより困難になると予想される。

 「正味電力需要」の不確かさを考慮し、前日に起動停止計画を作成する手法は「ロバスト起動停止計画法」と呼ばれ、電力工学分野でも最先端技術のひとつとして実応用に向けた研究が進められている。しかし、これまでの手法は、深夜0時において先の24時間の正味電力需要の実測値がすべてわかることを前提としており、現実的ではなかった。

 研究グループは今回、前日の段階で発電機の起動停止計画に対して、当日運用の各時刻にリアルタイムで調整できる蓄電池量の範囲も同時に求める新たなロバスト堆積化問題を定式化し、その効率的な解法を構築した。

 例えば、ある時刻における蓄電池と発電機の調整許容範囲は、その時刻だけでなく、他のすべての時刻における正味電力需要の変動幅や発電機と蓄電池の物理制約などを考慮して算出される。そのため当日運用では、該当時刻における正味電力需要の実測値とバランスを取って調整許容範囲内でリアルタイムに蓄電池と発電機を調整するだけで、その時刻以降の不確かな正味電力需要に対しても安定した運用を保証する。

 運用可能性の検証では、発電機54基から構成されるモデルであるIEEE118バスシステムに対し、運用系統に貢献する容量の蓄電池6台を追加した。正味電力需要の区間予測が複数パターン与えられた場合に、それぞれの区間予測に対して最適な起動停止計画と蓄電池と発電機の調整許容範囲を計算するのに要した時間を計測した結果、平均的なスペックの計算機でも平均43秒程度で効率よく最適解を求めることができた。

 今回開発した手法は、再エネを基盤電源とする次世代電力系統に対して、安定供給に関する信頼度評価や最適電源構成の定量解析に向けた基盤技術として発展することが期待される。今後、再エネ導入シナリオに基づいた系統信頼度の変化を解析し、安定供給や環境性、経済性の観点から必要となる蓄電池・発電設備の種類や規模について、より具体的な指針を与えることを目指す。

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