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室蘭市で再エネ水素の「低圧サプライチェーン」を実証

2019/02/07 12:30
工藤宗介=技術ライター
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水素サプライチェーンの概要
(出所:大成建設)
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 大成建設、北海道室蘭市、九州大学、室蘭工業大学、日本製鋼所、巴商会、北弘電社は共同で、室蘭市に低圧水素の配送システム実証施設を建設し、1月30日に開所式を執り行った。環境省が推進する「地域連携・低炭素水素技術実証事業」の一環。

 同事業では、地域の再生可能エネルギーや未利用エネルギーを利用し、水素の製造から貯蔵・輸送・供給・利用までの「水素サプライチェーン」を構築し、実証する。事業期間は2018~2019年度の2年間の予定。

 室蘭市の「祝津風力発電所」(出力1MW)で発電した電気を用いて、水素製造所に設置された水電解装置を使って水素を製造する。車載型コンテナに内蔵された水素吸蔵合金タンクに直接貯蔵し、約10km先の温浴施設まで輸送する。温浴施設に設置された定置型水素吸蔵合金タンクと燃料電池に水素を供給し、燃料電池で発生する電気と温水を同施設で利用する。水素吸蔵合金の水素の吸放出に必要な熱は、温浴施設の未利用低温排水を利用するという。

 参加各社の役割分担は以下となる。大成建設は全体統括および基本システムの設計、室蘭市は実証フィールドと風力発電電力の提供、九州大学は事業サポートおよび水素製造所の低コスト化検証など、室蘭工業大学は水素輸送・移送時性能評価および効率向上検討など、日本製鋼所は車載型および定置型タンク設計・製造など、巴商会は水素製造・利用設備の設計施工および運転管理など、北弘電社は水素製造所・利用場所の電気等設計施工などとなる。

 今後、同実証施設を運用することで、低炭素水素を本格的に利用するための課題を抽出し、地域分散型水素エネルギー社会の実現を積極的に推進するとしている。

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