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ドイツ、2038年までに石炭火力を全廃へ

2030年までに石炭火力の容量を半分以下に

2019/02/05 14:22
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 ドイツ政府の成長、雇用、および構造変革委員会は1月26日、石炭火力を2038年までに全廃することに合意したとする報告書を発表した。欧米の主要メディアが一斉に報じた。

 同委員会では反対が1票だけあったものの、2038年までに石炭を全廃する計画、およびそれによって影響を受ける州に対する総額400億ユーロの経済支援などに合意したという。今後同国政府は、同委員会の報告書をエネルギー政策に反映させる見通し。

 Olaf Scholz財務相は、「(石炭の全廃という)共通の目標を見失わなければ、ドイツはエネルギー政策に関して模範の国になることができるだろう」とのコメントを発表している。

 同委員会は、有識者で構成する第三者パネルによる審査を2023年、2026年、2029年に実施するという。

 今回の発表により、2030年までにドイツの褐炭および無煙炭による火力発電所の設備容量は、現在の半分以下の17GWまで低減されると見込まれる。同委員会の提言によれば、早ければ2035年にも石炭の全廃が実現する可能性があるとしている。

 2018年時点では、石炭火力発電は同国の電源構成の38%を占めていた。今回合意したエネルギー政策により、パリ合意で定めた温室効果ガス抑制の目標達成を急ぐ。

 同報告書では、石炭火力を太陽光や風力といった再生可能エネルギーで代替することなどにより、温室効果ガスの排出量を40年でほぼゼロの水準まで着実に抑制していくとしている。その結果、64%の確率で気温の上昇を1.5℃以内に抑制できるという。

 ドイツはこれまでにも、エネルギー転換政策「Energiewende」を掲げ、国内電力需要の80%以上を2050年までに再エネに代替するとして、欧州の脱炭素化をリードしてきた。今回発表した政策によって、より厳しい目標と期限を国際社会に公約したことになる(関連記事1)(関連記事2)。

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