光アップコンバージョンフィルムのイメージ
(出所:和歌山県工業技術センター)
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 和歌山県工業技術センターは1月8日、空気中でも安定して低いエネルギーの光(長波長光)を高いエネルギーの光(短波長光)に変換する「光アップコンバージョンフィルム」を開発し、特許を取得したと発表した。

 光アップコンバージョン現象を起こす色素はこれまでも知られていたが、酸素や水蒸気などで劣化するため、結晶や溶液(半固体)など空気に触れない状況下でしか同現象が起こらず実用化が困難だった。今回、ポリビニルアルコールフィルムの中に色素を閉じ込め、独自の技術でフィルムを伸ばして色素の劣化を抑えた。

 試作したフィルムは、緑色の光を青色の光に変換することに成功した。この技術は、大面積化が可能であることに加え、大気中で容易に作製できる。その一方で、まだ基礎研究の段階であり、変換効率が低いのが課題のひとつという。

 将来的には、フィルムを太陽電池に貼付して発電効率の向上、窓に貼付して省エネ向上および増光効果、紙幣などの紙に代替して偽造防止などへの応用が期待される。実用化に向けて、県内企業との共同研究への模索や、発光機構の解明とノウハウの蓄積に取り組んでいく。