糖尿病診断の検査時間を短縮、新たな酵素を開発

協和メデックスが京都大学と摂南大学と共同で

2019/02/01 07:00
近藤 寿成=スプール

 協和メデックスは、京都大学と摂南大学との共同研究により、糖尿病診断におけるヘモグロビンA1c(以下、HbA1c)の測定試薬に応用できる新たな酵素「HbA1c ダイレクトオキシダーゼ(以下、HbA1cOX)」を開発した。

従来の測定方法(2ステップ法)と新たな酵素開発により実現できる測定方法(1ステップ法)の概要
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 現在、世界の糖尿病の患者数は増加しており、2017年時点で約4億2500万人、2045年には約7億人にまで増加すると予想される。また、糖尿病の診断には安価で扱いやすいという利点から、HbA1cを測定する方法が普及している。

 HbA1cは、糖化ペプチドオキシダーゼ(以下、FPOX)という酵素による酸化反応を用いて測定する。ただし、HbA1cは分子サイズが大きくFPOXと直接反応できないことから、前処理としてタンパク質分解酵素で分解する必要がある。そのため、従来は分解反応の後に酸化反応を行う2ステップ法で測定していた。

 そこで協和メデックスは、京都大学大学院農学研究科 橋本渉教授と摂南大学理工学部 村田幸作教授とともに酵素の構造を改変し、分子サイズの大きいHbA1cと直接酸化反応できる新たな酵素HbA1cOXを開発した。これにより、分解反応が不要となるため1種類の酵素反応のみで測定する方法(1ステップ法)を実現でき、測定時間を最大で従来の半分にまで短縮できることが期待される。なお、HbA1cOXは1ステップ法に応用可能な世界初の酵素となる。

 協和メデックスは今後、HbA1cOXを用いた測定試薬や測定機器を開発し、この酵素を用いたHbA1c測定方法の3年以内の実用化を目指す。

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