フォーラムについて説明する林機構長(左)
(出所:早稲田大学)
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第一回会合の様子
(出所:早稲田大学)
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 早稲田大学は1月26日、産学主体の「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス・フォーラム(ERABF)」を設置し、同日に第1回会合を開催したと発表した。分散する再生可能エネルギーや蓄電池、需要家などを、ITを使って集約(アグリゲーション)する新しいビジネスモデルの構築を目指す。

 早大の「スマート社会技術融合研究機構(ACROSS)」が主催した。座長は、同機構長の林泰弘 理工学術院教授が務め、経済産業省に設置される「エネルギー・リソース・アグリゲーション・ビジネス検討会」と連携して活動を進める。同フォーラムには約40社が参加する。業種は、電力会社5社、ガス会社2社、新電力4社、アグリゲーター8社、電機メーカー17社、自動車メーカー2社、住宅・建設・デベロッパー5社となっている。

 同フォーラムを設置した背景には、「東日本大震災以降、太陽光や蓄電池、電気自動車(EV)、家庭用燃料電池など、需要家側に設置するエネルギー設備の導入が急拡大するとともに、電力システム改革やIoT (Internet of Things:モノのインターネット)の発展などの社会変化を踏まえ、新たなエネルギー産業として、アグリゲーションビジネスを育成していくことが重要」との問題意識がある。

 2015年11月26日に首相官邸で開催した「未来投資に向けた官民対話」では、「家庭の太陽光発電やIoTを活用し、節電した電力量を売買できる『ネガワット取引市場』を、2017年までに創設する。そのため、2016年度中に事業者間の取引ルールを策定し、エネルギー機器を遠隔制御するための通信規格を整備する」との総理指示が、経済産業省に対して出ている。フォーラムではこうした政策課題にも対応する方針だ。

 早大ACROSSでは、「EMS 新宿実証センター」を設置し、HEMS(住宅エネルギー管理システム)に繋がった家電やエネルギー機器を通信ネットワークに接続・制御する実証や、デマンドレスポンス(需要応答)指令サーバを装備し、4地域(横浜市、豊田市、けいはんな学研都市、北九州市)でのスマートシティ実証と連携したADR(自動デマンドレスポンス)の運用に関する接続実験などを実施してきた。また、東京電力と連携し、太陽光発電の出力制御システムの実証にも取り組んでいる。

 これらの実証事業では、いずれも複数社の家電やエネルギー機器、太陽光発電設備が混在したマルチベンダー環境下でのHEMSと通信ネットワークとの接続、遠隔制御システムの実現を目指している。「ネガワット取引」でも、こうした通信技術を前提に規格整備などを進めることになると見られる。

 同フォーラムへの電機メーカーの参加企業は、アドソル日進、 NEC、 大崎電気工業、 オムロン、京セラ、住友電気工業、 ダイキン工業、東光高岳、 東芝、 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)、 パナソニック、 日立製作所、 フォーアールエナジー、 富士通、 富士電機、 三菱電機、 明電舎となっている。