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東芝、モルディブでマイクログリッド制御、太陽光を効率運用

2019/01/24 19:17
工藤宗介=技術ライター
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マイクログリッドシステムのイメージ
(出所:東芝エネルギーシステムズ)
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 東芝エネルギーシステムズ(川崎市)は1月22日、モルディブのアドゥ環礁向けに太陽光発電に対応したマイクログリッドシステムを、貿易会社の西澤(大阪市)から受注したと発表した。同システムを、モルディブ上下水道電力会社(FENAKA)に納入し、2020年に運転を開始する計画。

 地球温暖化による海面上昇の危機に直面しているモルディブでは、主電源であるディーゼル発電機の燃料コストの負担軽減およびCO2排出削減に向けて、太陽光発電設備の導入を推進している。

 同国アドゥ市のヒタドゥ島では、2017年に太陽光発電設備が導入された。電力系統が同島内で独立しており、より効率的な太陽光発電の運用には系統の安定化制御が必要であることから、出力変動対策としてマイクログリッドシステムを導入する。

 今回受注した太陽光対応型マイクログリッドの制御技術は、エネルギー管理システム「μEMS」と蓄電池(1MW)から構成される。東芝エネルギーシステムズと東京電力ホールディングスの合弁会社T.T. Network Infrastructure Japanが、実現可能性調査で経済合理性を確認したことを踏まえて提案した。

 μEMSは、気象予報に基づき太陽光の発電量と電力需要を予測し、ディーゼル発電所の最適な運転計画を作成して電力系統を運用する。太陽光の出力変動を蓄電池で最適制御することで、ディーゼル発電機の使用燃料および二酸化炭素排出量を削減する。蓄電池システムには、東芝グループ製のリチウムイオン電池「SCiB」を適用する。

 アジア開発銀行が、欧州投資銀行およびイスラム開発銀行と協調して無償資金および融資を供与し、モルディブの約160島に太陽光とディーゼル発電のハイブリッド・システムを導入するプロジェクトの一環。環境省が低炭素技術の普及を推進するためにアジア開発銀行に設置した二国間クレジット制度日本基金(JF JCM)を活用した第一号案件となる。

 東芝エネルギーシステムズの太陽光対応型マイクログリッド導入実績は、沖縄電力向けの宮古島メガソーラー実証実験場や、米国ニューメキシコ州の日米スマートグリッド実証向けなどがある。こうした太陽光に対応したマイクログリッドシステムは今後、離島やオフグリッド地域などの小規模電力系統において、再エネ比率向上やCO2排出削減を目的にニーズが高まると予想される。

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