畜産農家が牧草を育成し、仔牛の飼料に

肉食用の仔牛の畜産が盛ん
(出所:京セラ)
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 検討中の事業の構成案では、発電事業者が売電と営農を担う中で、実際の農作業は地元の畜産農家が担当する形を想定している。

 用地は、土地管理を担う会社が、宇久島内の農地や耕作放棄地などを土地の所有者から借り、発電事業者に転貸する。この土地管理会社が農業法人を兼ねる可能性もあるようだ。

 発電事業者は、土地管理会社に営農の支援金も支払う。土地管理会社は、これを元手に、地元の畜産農家に農作を委託する。

 太陽光発電システムの下で栽培する農作物は、牧草を予定している。畜産農家は牧草を育成し、畜産する肉食用の牛の飼料とする。肉食用の仔牛の畜産は、宇久島における主要産業である。

 発電事業者は、牧草を安価で畜産農家に販売する。

 こうした事業スキームによって、農業と発電事業の両面で宇久島の地域振興に寄与することを目指す。

 EPC(設計・調達・施工)サービスとO&M(運用・保守)は、九電工が担当する。従来のフォトボルトの計画では、九電工と京セラが共同で担う構想で、これが九電工の単独に変わった。

 太陽光パネルは、京セラ製の多結晶シリコン型を採用する。約165万枚を設置する予定としている。

 パワーコンディショナー(PCS)や営農型の架台システムについては、未定としている。

 営農型では、設置角を一定に固定する手法だけでなく、太陽光パネルを固定した軸を回すことで太陽の方向を追尾する手法も候補になることが増えてきた。宇久島のプロジェクトでは、固定型を採用する方向で検討が進んでいるようだ。

 宇久島の営農型プロジェクトの年間発電量は、約51.5万MWhを見込んでいる。この電力は、約64kmの海底ケーブルを敷設して九州本土に送電し、九州電力に売電する予定としている。

 今回、新たに加わった古河電工は、この海底ケーブルの敷設を主に担うと見られる。