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東芝、低コスト・高効率の「タンデム型太陽電池」に道

亜酸化銅を用いた太陽電池セルを透明化

2019/01/21 13:17
工藤宗介=技術ライター
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タンデム型太陽電池の概略
(出所:東芝)
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透過型Cu2O太陽電池(小型セル:サイズ25mm角)
(出所:東芝)
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 東芝は1月21日、亜酸化銅(Cu2O)を用いた太陽電池セル(発電素子)の透明化に成功したと発表した。透過型Cu2O太陽電池をトップセルに用い、現在広く普及している結晶シリコン(Si)太陽電池をボトムセルに用いることで、短波長から長波長まで幅広い波長の光をエネルギーに変換できる高効率なタンデム型太陽電池を低コストで実現できる。

 タンデム型太陽電池は、太陽光が直接入射する上層の透明なトップセルと、下層のボトムセルから構成され、結晶Si太陽電池を超える高い発電効率が期待できる。現在はガリウムヒ素半導体などを用いたタンデム型太陽電池が開発され、結晶Si太陽電池と比べて1.5~2倍高い30%台の発電効率報告されている。その一方、製造コストが結晶Si太陽電池と比べて数百~数千倍と高いことが課題だった。

 今回開発した透過型Cu2O対応電池は、短波長光を吸収して発電し、600nm以上の長波長光を80%透過する。地球上に豊富に存在する銅の酸化物を用いることで低コスト化が期待できるとともに、結晶Siとは異なる波長域の光を吸収して発電するため、結晶Siの発電をほとんど阻害せず高効率な発電が期待できる。

 Cu2Oは、酸化銅(CuO)や銅(Cu)といった不純物相が生成しやすく混ざりやすいという性質がある。今回、Cu2O薄膜形成プロセスにおいて、酸素量を精密制御する独自の成膜法を適用し、薄膜内部でのCuOやCuの発生を抑えることで、Cu2Oの透明化を実現した。同技術を用いたプロトタイプのタンデム型太陽電池の実験で、ボトムセルの結晶Si太陽電池が単体時の約8割の高出力を維持していることを確認した。

 同社は、3年後に透過型Cu2O太陽電池をトップセルに用いた低コストのタンデム型太陽電池の完成を目指し、効率30%台の実現に向けた研究開発を進めていく。

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