新研究棟の外観
(出所:住友林業)
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新研究棟の内観
(出所:住友林業)
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 住友林業は、茨城県つくば市の筑波研究所に新研究棟の建設を進めている。木構造に関する新技術を採用した建物で、太陽光発電や、木質ペレットを燃料にした吸収式冷温水空調システムなどを導入する。ゼロエネルギービル(ZEB)の実現も視野に入れている。

 2018年3月に着工し、12月4日に建方(構造材を組み上げる工事)が完了した。建物全体の完成は2019年5月末日の予定。

 屋上面に設置する太陽光パネルはシャープ製で、出力55.65kW(265W/枚×210枚)。パワーコンディショナー(PCS)もシャープ製で定格出力49.5kW(5.5kW/台×9台)。また、吸収式冷温水空調システムは、木質ペレットを燃料にしたボイラーを熱源にして運用する。矢崎エナジーシステム製で出力105kW。

 これらの設備の導入により、CO2排出量を削減しZEBを目指す。

 新研究棟は木造3階建てで、延床面積は2532.67m2。同社が2月に発表した「W350計画」の研究拠点となり、「木を科学する」先進技術や木に関する幅広い知見を発信する。W350計画は、1691年の創業から350周年を迎える2041年を目標に、高さ350mの木造超高層建築物を実現する構想で、CO2を炭素として固定し地球環境負荷の低減を目指す。敷地内の整備も含めた総事業費は約25億円。

 柱および梁は木の現し(構造材が見える状態で仕上げる手法)にした。壁柱に1200mm四方、厚さ300mmのLVL(単板積層材)を市松状に積み上げ、その中に鋼棒を貫いて水平力に抵抗するポストテンション技術を用いた独自構造を採用した。大梁は準耐火60分大臣認定を取得した合わせ梁で、火災時の避難経路などの安全性能は、国土交通大臣の認定を取得する。木造建築物を対象とした全館避難安全検証法の大臣認定を取得した国内初の物件になる。

 このほかにも、屋上・バルコニー・外壁を緑化し、非住宅木造建築向けの新たな緑化技術の研究開発に役立てる。オフィス空間では、知的生産性向上に配慮した緑のレイアウトなどを検証する。国土交通省の推進する「平成29年度 サステナブル建築物等先導事業(木造型)」に採択されており、収容人数140人のオフィスと木に関する情報を提供するギャラリーなども備える予定。