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太陽光発電市場――2019年の展望~市場規模、政策、ファイナンスの動向(page 2)

「入札」拡大で大規模案件に正念場、夏以降、「卒FIT」商戦が本格化

2019/01/04 19:07
金子憲治=メガソーラービジネス編集長
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2018年度に「駆け込み認定」も

 経産省による太陽光の“引き締め政策”は、新規認定量の減少となって表れるものの、ここ数年の導入量に関しては、逆に「活況」とも言える状況をもたらしそうだ。なぜ、そうなるのかは、後述する。

 まず、統計データの公表されている2017年度(2017年4月~2018年3月)の国内太陽光の市場規模を推定してみる。公式の統計としては、経産省の太陽光発電導入量・5.43GWと太陽光発電協会(JPEA)の太陽電池出荷統計・5.24GW、日本電機工業会(JEMA)の太陽光発電用パワーコンディショナー(PCS)出荷動向量調査・5.48GWの3つがある(図2)(図3)。

図2●固定価格買取制度(FIT)による年度別の太陽光・導入量(単位:kW)
(出所:経産省の公表値を基に日経BP作成)
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図3●国内における太陽光パネルの出荷量推移
(出所:JPEA)
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 このうち経産省の5.43GWとJEMAの5.48GWは連系出力(交流)ベース、JPEAの5.24GWは太陽光パネル(直流)ベースの出力となる。

 経産省の数値は、FITを利用して連系した案件なので、屋根上などここ数年増えている全量を自家消費する案件は含まれない。また、JEMAの統計には、比較的シェアの高い中国ファーウェイ、仏シュナイダーエレクトリックなど一部の主要海外メーカーが含まれていない。従って、両方の値とも実際よりもやや小さくなる。大雑把な推計では、交流ベースでは6~7GW程度の規模になると見られる。これにPCSの定格出力を超える太陽光パネルを積み増す「過積載」の比率が20%と仮定すれば、直流ベースでは7~8GWと推察できる。

 この数値(7~8GW)と、もともと直流ベースであるJPEAの数値(5.24GW)が合わないのは、JPEAの調査対象企業のカバー率が70~80%に留まると見られるためで、それを補正すると、やはり7GW程度になり、ほぼ一致する。

 同様の考え方で推定した2014年度の直流ベースの市場規模は11~12GW、2015年度の規模は10~11GW、2016年度は8~9GWだったので、太陽光パネル市場は、2014年度をピークにここ数年、年度ごとに1GW程度ずつ縮小していることがわかる。

 ただ、今年度(2018年度)は、やや盛り返し、再び8~9GWに拡大する可能性が高い。2018年9月のデータまで公表しているJPEAの出荷統計を見ると、2018年4~6月期は前年同期比を下回ったものの、同年7~9月期は約1.37GWで前年同期比約7%増となった。

 もともと2017年度は、新規導入が進みにくい環境にあった。改正FITに移行した年で、事業用低圧案件を中心に経産省の認定作業が大幅に遅れて着工できない案件が続出した。加えて、「事後的過積載」が認められた最後の年だったため、太陽光関連企業が「増設ビジネス」に経営リソースを割き、新設着工が後回しになった面もある。

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