現地で日射量、気温、太陽光パネルへの汚れの付着による発電損失などを調査
(出所:Scatec Solar社)
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 ノルウェーの太陽光発電事業者であるScatec Solar社は10月26日、エジプトでメガソーラー(大規模太陽光発電所)を開発すると発表した。

 エジプトは、電源の多様化を目的に、今後2年間に合計出力2.3GW(2300MW)の太陽光発電システムの導入を目指している。このため、エジプト政府は、国際的な太陽光発電関連企業によるプロジェクトへの参画や投資を促すため、新たな法案を立案する予定。

 Scatec Solar社は、エジプト政府による「Renewable Energy program」の一環として開発する。エジプトの新たなFIT(固定価格買取制度)に基づき、5件・合計出力250MWのプロジェクトに参画する契約を締結した。

 このうち1件は、エジプト最大規模の案件で、Scatec Solar社が開発を主導する。残りの4件には、投資家、EPC(設計・調達・施工)サービス、O&M(運用・保守)として参加する。Fedicom Trading and Engineering社と提携し、開発する。

 Scatec Solar社は、エジプトで今後2年間に6億米ドル以上を投資する。金融機関によるプロジェクトファイナンスの組成の協議を開始している。

 エジプトのBenbanとZafaranaの2カ所で、すでに設計のための作業を開始している。地形と地盤の調査を終え、現在は、日射量、気温のほか、太陽光パネルへの汚れの付着による発電損失を検討している。

 設計前の詳細な現地の調査は、ホンジュラス、ヨルダン、ルワンダ、南アフリカ、米国などにおける経験から、重要視しているという。

 設計段階で、地形や気象といった現地に特有の条件を盛り込むことが、太陽光発電所の長期信頼性を増し、地方自治体、電力利用者、金融機関や投資家まで、すべての利害関係者に必要な電力や収益を提供し、事業を確実に成功させるために不可欠だと強調している。

 Scatec Solar社では、現地の技術者に研修を施し、建設期間中に現地で数百名分の雇用を創出するほか、O&Mの担当者を現地で採用する。同社が手掛けた南アフリカ最大のメガソーラーでは、同じように現地で採用して建設し、事故ゼロ件で、計画より3カ月前倒しで竣工したと強調している。

 また、Scatec Solar社では、エジプトの新たな「Renewable Energy program」を成功させるには、約40社の太陽光発電開発事業者が必要になると分析している。

 実現への障壁として、物流の遅れが懸念されており、その解消のために、「ワンストップショップ」と呼ぶ開発や物流の手法の採用を提唱している。太陽光発電開発事業者にとって、費用対効果、安全性などでも利点があるとする。

 Scatec Solar社によると、エジプトが計画している、2020年の電源構成に占める再生可能エネルギー比率を20%に高める目標を実現するには、今後7年間で合計出力6GWの再エネ発電所を導入する必要があり、総額約90億~100億米ドルの海外からの投資が要るという。

 この目標を実現できれば、化石燃料の輸入を減らすことができ、化石燃料の購入費用の削減分で再エネ発電所の導入に関連する費用を相殺できる。また、原油価格や為替の変動に左右されない、手ごろで予測可能な価格の電力を供給できると強調している。

 同社が手掛けた南アフリカにおける三つのメガソーラーの例として、化石燃料の購入費の削減や、停電による工場の稼働停止による被害の低減などによって、稼働後6カ月間で合計3000万米ドル分の利益を現地にもたらせたとしている。