従来の真空技術やフォトリソグラフィー技術を駆使した方法に取って代わる新しい製造技術「グリーンプロセス」に関する研究発表が、「第76回応用物理学会秋季学術講演会」(2015年9月13~16日、名古屋国際会議場)で相次いだ。そこで、月1回の連載コラム「グリーンプロセス革命」とは別に、筆者が聴講した中で興味を持った講演について3回にわたって紹介する。第1回は、塗布・印刷可能なシリコン(Si)とその応用を取り上げる。

 応用物理学会の学術講演会は、毎年春と秋に開催され、それぞれ6000名の参加者、4000件の発表が行われる大変盛況な講演会である。今回は、名古屋国際会議場で開催された。応用物理学会の歴史は長いが、学術講演会が大学ではなく国際会議場で開催されたのは初めてである。名古屋大学特別教授の益川敏英氏と同大教授の天野浩氏の特別シンポジウム(一般公開)やチュートリアル、企業主催のランチョンセミナーなど、通常のシンポジウム以外の内容も盛りだくさんだった。

液体Siはここまで進展

 グリーンプロセス関連のシンポジウム「液体シリコンの科学と最新動向」では、7件の招待講演(講演時間30分)と一般公演が行われた。ここでは招待講演2件を中心に紹介する。

 液状材料の「液体シリコン(液体Si)」は、塗布や印刷によってシリコン(Si)系薄膜などを形成できるため、薄膜形成に高価で巨大な真空装置を用いる必要がない。また、材料の利用効率を極限まで向上できる。こうした特徴から、液体Siは、電子デバイスや太陽電池などの作製プロセスへの応用が検討されている。また、液体Siから形成できる材料は、アモルファスSi以外にも多岐にわたることから、多方面への発展が期待できる。

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