堤防のような役割を果たしていた
平成以降、大きな変化は見られなかった(出所:国土交通省 関東地方整備局)
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掘削と対応の経緯
メガソーラー事業者(図中の事業者B)への申し入れが受け入れられず、同事業者に土地を借りて土嚢を設置(出所:国土交通省 関東地方整備局)
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 国土交通省 関東地方整備局は9月19日、「鬼怒川左岸25.35k付近(常総市若宮戸地先)に係る報道について」と題した報道発表資料を公開した。

 常総市若宮戸地区における太陽光発電所の施工が、鬼怒川氾濫の要因の一つとなった可能性があるとして関心を集めている件についてである。

 自然堤防の役割を担っていた丘陵部が、太陽光発電所の施工時に削られていたことが報じられている(関連ニュース1同ニュース2)。

 同局によると、自然堤防の役割を担っていた丘陵部を削った太陽光発電事業者が、この掘削に関し、「国土交通省が問題ないと回答していた、または、黙認していたという趣旨の報道がなされており、事実と異なる点がある」としている。

 現地には、川に近い西側にある、出力50kW弱の三つの太陽光発電所と、川から遠い東側にある、出力1.8MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)がある。このうち、メガソーラーの敷地に、自然堤防の役割を担っていた丘陵部が含まれている。

 いずれの太陽光発電所も、「河川区域」の外に位置している。河川法の適用範囲外となり、国土交通省には、河川管理者としての行為規制に関する権限はないとする。

 自然堤防の役割を担っていた丘陵部が削られ始めていることは、2014年3月に把握した。若宮戸地区の住民や常総市から、同局 河川部 下館河川事務所に対して、浸水被害への懸念から、工事を中止させるように要望があった。

 そこで、同4月に、下館河川事務所が、掘削しているメガソーラー事業者と面会したという。

 この際、メガソーラー事業者に対して、人口堤防のない川岸に隣接するため、洪水時には浸水する恐れがあると伝えた上、常総市とともに、現状の地盤の高さで残すことを強く申し入れたが、合意に至らなかったとしている。

 このため、自然堤防の役割を担っていた丘陵部が「掘削される前の、最も低い場所と同程度の高さ」を確保するための緊急的な措置を講じることにした。

 メガソーラー事業者の土地を借り、土嚢を設置するという措置だった。同5月にメガソーラー事業者と協議を始め、メガソーラー事業者が了承し、同7月初旬に土嚢の設置を完了した。