自動車のリコール問題や電機製品の市場クレームの原因の1つが「ばらつき」であると指摘するのが、「技術者塾」で「市場クレーム・リコール撲滅を目指す、公差計算と公差設計の勘所」〔2016年8月22日(月)〕の講座を持つ、プラーナー会長の栗山 弘氏だ。同氏に公差設計と幾何公差の習得に積極的な日本企業が増えている理由や、習得する利点を聞いた。

──公差設計と幾何公差の習得に関して今、自動車業界が積極的になっていると聞きます。何が起きているのでしょうか。

栗山氏:自動車のリコールがなかなか減りません。その原因について、多くの日本企業が「設計に課題があり、ものづくりの根幹である図面をなんとかしなければならない」と気づき始めたのです。もっと明確に言えば、公差設計と幾何公差をきちんと反映させた「正しい図面」を作成していないことが、リコールを生む一因になっています。

 というのも、自動車のリコールや電機製品の市場クレームの大きな原因の1つが「ばらつき」だからです。実は、FMEA(Failure Mode and Effects Analysis:故障モード影響解析)やDRBFM(Design Review Based on Failure Mode)を実施して見つかる課題の5~7割がばらつきの問題となっています。これを解消するには、「正しい公差計算」を実施し、「正しい公差設計」を行った後、幾何公差で指示した「正しい図面」が必要です。ところが、これをきちんと実現できている企業や設計者は少ないというのが、今の日本の製造業の実態です。つまり、FMEAやDRBFMは実施していても課題の完全解決に至っていないのです。

 自動車のリコール原因についてばらつきに言及する人はあまりいません。しかし、きちんと公差計算を実施して分析すれば、公差設計のまずさが一因であることが明らかになるはずです。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経ものづくり」定期購読者もログインしてお読みいただけます。有料会員(月額プラン)は登録月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら