2017年10~12月、マネジャーを対象にした複数のセミナーで講師を務めた際、各セミナーでほぼ同じ内容の質問を繰り返し受けた。それは、「企業の組織的支援が得られない中、その状況を打破するために必要なリーダーシップとは何か」である。今回は、モチベーションを高めるシステムやマネジメントが未整備の組織(企業)で、いかにリーダーシップを発揮するかをテーマとする。

創造にはシステムとマネジメントで対応

 イノベーションへの挑戦には、適切なシステムとマネジメントが不可欠となる。聴講生たちはそのことを、セミナーで教材としていた筆者の著作『3Mで学んだニューロマネジメント』を熟読して深く理解していた。

 まず、システムについてのポイントを簡単にまとめると次のようになる。組織が「人の集団」である以上、トップマネジメントは「人」がイノベーションに挑戦したくなる(もしくは、せざるを得ない)ように、組織のシステムや組織(企業)文化を設計しなければならない。そして、時代が変わっても、そのシステムや文化が破壊されないような体制を整える必要がある。

 システム・文化づくりでは、イノベーションにポジティブに働く人間の本質を強化し、ネガティブに働く人間の本質を抑制することが肝要となる。例えば、モチベーションを高めるための組織のシステムである『CanRUB(Recognize、Utilize、Believe)システム』(同書20~23章、連載では2016年9月号の第20回~同年12月号の第23回参照)では、人間の本質を踏まえ、具体的な8つの仕掛けに落とし込んでいる(図1)。

図1 モチベーションを高めるCan RUBシステム
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 一方、マネジメントとしては、イノベーションに挑戦する部員のやる気を引き出すために、マネジャーは「人」の脳を活性化させるマネジメントを設計し、実践しなければならない。こうしたマネジメントの実践法は、「SSR(Stretch・Support・Reward)イノベーション・マネジメント・スパイラルプロセス(以下、SSRマネジメント)」として示した(同書8~19章、連載では2015年9月号の第8回~2016年8月号の第19回参照)。

 SSRマネジメントの最大の特徴は、イノベーションにネガティブに働く人間の本質を打ち破ることを主眼とする点だ。ネガティブに働く本質には「満たされている状況では変化を好まない」「不公平に扱われたと感じると自分の利益を犠牲にしても相手を罰する」「ルール違反に対する罰を与えることは快く感じる」などがある。SSRマネジメントは、これを抑制する10の仕掛けを備えている(図2)。マネジメントに際しては、部員から尊敬される形で行うことが大切になる。

図2 モチベーションを高めるSSRマネジメント
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