「日経ものづくり」2018年1月号の「ニュースの深層」を先行公開した記事です。

 FAの世界で、標準的な技術を取り入れて接続性や相互運用性を高める「オープン化」の動きが進んでいる。その震源地は、インダストリー4.0を推進するドイツだ。2017年11月下旬に同国・ニュルンベルクで開催されたFAシステムの展示会「SPS IPC Drives 2017」では、生産ラインを構成するコントローラーやネットワークでオープン化の提案が目立っていた。

 ドイツをはじめとする欧州では、特定のベンダー企業による囲い込みを避けるために、ユーザー企業は標準的な技術を志向する傾向が強いといわれる。インダストリー4.0に代表されるデジタル化によって、FAの世界でITの重要性が高まり、オープン化がさらに加速している。この動きは欧州企業にとどまらず、世界中に工場を展開する日本のユーザー企業や、それらの企業を顧客に持つFAメーカーにとっても大きな影響を与えそうだ。

多様な言語でプログラミング

図1 Phoenix Contact社のPLC「AXC F 2152」
「PLCnext Technology」の第1弾製品としてSPS IPC Drives 2017に合わせて発売した。国際標準のPLCプログラミング言語だけではなく、CやPythonなどIT業界を中心に普及しているプログラミング言語でも制御プログラムを作成できる。
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 コントローラーの分野でオープン化に積極的なのは、ドイツPhoenix Contact社だ。同社は、「次世代オープン・コントロール・プラットフォーム」と位置付ける「PLCnext Technology」の第1弾製品として、PLC「AXC F 2152」と統合開発環境「PC Worx Engineer 7」の提供を開始した(図1)。今後は、周辺機器や拡張機能などを順次追加していく。

 「6カ月に及ぶ『アーリーアダプターフェーズ』を経て、ついに市場に投入する時が来た」。展示会場の報道機関向け説明会に登壇した同社CTO(最高技術責任者)のRoland Bent氏は、PLCnext Technologyの製品化を高らかに宣言した。同氏は2016年の同展示会で「1年後にリリースする」と語っていたので、その“公約”を守ったことになる。

 PLCnext Technologyの特徴は、多様な言語で制御プログラムを作成できることだ。具体的には、ラダーダイアグラム(LD)やファンクション・ブロック・ダイアグラム(FBD)といった国際標準「IEC 61131-3」で定義されている5種類のPLCプログラミング言語、C/C++やPythonといったIT業界を中心に広く普及しているプログラミング言語、そしてモデルベース開発に適した「MATLAB/Simulink」のブロック線図などだ(図2)。

* LDとFBDの他に、インストラクションリスト(IL)、ストラクチャードテキスト(ST)、シーケンシャル・ファンクション・チャート(SFC)がある。

図2 PLCnext Technologyで利用できる言語
国際標準「IEC 61131-3」で定義されているPLCプログラミング言語、IT業界で普及しているプログラミング言語など、幅広い言語に対応した。 (出所:Phoenix Contact社)
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